5分でわかる!明暗順応のメカニズム
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この動画の要点まとめ
ポイント
暗所と明所を移動するとき、視覚器はどのように働くのでしょうか?
視覚器に入った光を受容する細胞を視細胞といいましたね。
視細胞には錐体細胞と桿体細胞がありました。
錐体細胞は強光を受容し、色の識別ができる視細胞です。
一方、桿体細胞は弱光を受容し、色の識別ができない視細胞です。
まずは、暗所での視覚器の状態に注目しましょう。
暗所には強光がありません。
そのため、主に桿体細胞が働いています。
桿体細胞には、ロドプシンという視物質が含まれていました。
視物質とは、光を受容する色素タンパク質です。
明暗順応のメカニズムでは、ロドプシンを含む桿体細胞が重要な役割を果たしています。
ロドプシンは、レチナールとオプシンからなる複合体です。
図では、レチナールがL字型の構造物で、オプシンが黒く丸い構造物で描かれています。
レチナールはビタミンAとも呼ばれ、暗所ではシス型という構造になっていることが特徴です。
ロドプシン分解⇒感度低下⇒明順応
明順応のメカニズムを見ていきます。
暗所から明所へ移動した場合をイメージしてください。
桿体細胞のロドプシンに光が当たると、レチナールの構造が変化します。
レチナールは、明所ではトランス型になることが特徴です。
図で、トランス型のレチナールは棒状で描かれています。
レチナールがシス型からトランス型へ変化すると、どのような変化があるのでしょうか。
実は、レチナールとオプシンの結合状態が保てなくなるのです。
そのため、明所ではロドプシンが分解されます。
ロドプシンは弱光を受容して興奮を生じる視物質でした。
しかし、明所ではロドプシンが分解されてしまいます。
すると弱光が認識できなくなり、桿体細胞の感度が低下します。
よって、光に対して鈍感になり、明所の明るさに順応できるようになるのです。
ロドプシン合成⇒感度上昇⇒暗順応
次に、暗順応のメカニズムを見ていきます。
明所から暗所へ移動した場合をイメージしてください。
桿体細胞のロドプシンに光が当たらなくなることでも、レチナールの構造が変化します。
レチナールがトランス型からシス型になるのです。
すると、レチナールとオプシンが結合できるようになるのです。
そのため、暗所ではロドプシンが合成されます。
ロドプシンは弱光を受容して興奮を生じる視物質でした。
暗所ではロドプシンが次々と合成されていきます。
すると、弱光が認識できるようになり、桿体細胞の感度が上昇します。
よって、光に対して敏感になり、暗所の弱光が認識できるようになるのです。
錐体細胞のフォトプシンは常に生理活性を有する
明暗順応のメカニズムでは、ロドプシンを含む桿体細胞が重要な役割を果たしていました。
ロドプシンの分解が明順応につながり、ロドプシンの合成が暗順応につながっていましたね。
視細胞には、桿体細胞の他にも錐体細胞があります。
錐体細胞は強光を受容し、色の識別ができる視細胞でしたね。
錐体細胞に含まれている視物質はフォトプシンです。
錐体細胞に含まれるフォトプシンは、暗所や明所でどのようにふるまうのでしょうか。
実は、フォトプシンは暗所でも明所でも常に生理活性を有します。
つまり、暗所と明所を移動するたびに、分解や合成が起こることがないのです。
夜に見る花火をイメージしてください。
暗闇で突然花火が光っても、私たちは花火の色を認識することができますよね。
錐体細胞は暗所でも明所でも常に働いているため、暗所に急に現れる光の色を認識することができるのです。
明暗順応のメカニズムを見ていきましょう。