興奮の伝導について見ていく前に、興奮の発生について復習しましょう。

ニューロンは、刺激が与えられることで興奮が生じました。
興奮とは、具体的にどのような現象だったか覚えていますか？

通常、細胞内の電位は、約-70mVに保たれています。
このように、刺激を受ける前の負に帯電した膜電位を、静止電位といいましたね。

図は、刺激を与えられたニューロンの細胞膜を拡大した様子です。
ニューロンのある箇所に刺激が与えられると、そこに位置するNa⁺チャネルが開き、細胞内へNa⁺が流入します。
すると、膜電位は負から正へと転じるのです。

このように、膜電位が正へ転じたときの、静止電位からの変化量を活動電位といいましたね。
静止電位から活動電位へ移る（膜電位が－から＋へ転じる）ことを、興奮というのです。

ニューロンに刺激が与えられて興奮が生じたとき、興奮はその箇所で留まるのではありません。
刺激を与えられた箇所から、細胞の中を次々と伝わっていくのです。
この現象を、伝導といいます。

次で、伝導のメカニズムに注目します。