5分で解ける!興奮の伝導に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
活動電流についておさえよう
改めてグラフを確認してみましょう。
このグラフは何を表していたか覚えていますか?
これは、神経細胞に刺激が与えられる前後での膜電位の変化を、時間を追って観察したときの結果を表したものでしたね。
静止電位とは、刺激が与えられる前の膜電位です。
グラフでは、刺激点が矢印で表されています。
よって、矢印で示された箇所より左側のグラフに注目し、膜電位を読み取ればよいのです。
従って、静止電位は -70mV です。
単位のつけ忘れに注意してください。
活動電位とは、刺激によって、膜電位が正に転じたときの、静止電位からの変化量のことです。
グラフでは、刺激が与えられたことによって膜電位が20mVまで上昇していますね。
静止電位が-70mVなので、膜電位の変化量は90mVとなります。
よって、活動電位は90mVです。
膜電位の経時的変化は、4段階に分けることができましたね。
静止電位、脱分極、再分極、過分極です。
膜電位が負から正に転じる脱分極では、Na+チャネルが開いてNa+の流入が起こりました。
一方、膜電位が正から負に転じる再分極では、K+チャネルが開いてK+の流出が起こります。
このため、膜電位の値が減少していくのですね。
よって、K+が流出するというのが正解です。
「神経が静止電位以下」というのは、膜電位が-70mV以下のことです。
これは、膜電位の経時的変化を4段階に分けたときの過分極という段階に当たります。
神経は、過分極を経て静止電位に復帰するまでは次の刺激を受け取ることができません。
よって過分極が起きている間は、刺激を受けても興奮が起こることはないのです。
この時期を不応期といいます。
神経細胞が刺激されると、Na+が流入し、膜電位が正に転じました。
このとき、刺激点の両隣りは負に帯電しているので、電位差によって、正から負へ電流が流れます。
この電流を活動電流といいましたね。
また、一度興奮した箇所は不応期を迎えるため、活動電流は刺激点へは戻らず、軸索の両端へ向かって両方向へ進んでいく性質がありました。
よって、答えは図のようになります。
伝導のメカニズムや活動電流の流れ方についておさえましょう。
グラフから、静止電位と活動電位を読み取る問題です。