5分でわかる!伝達のメカニズム
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この動画の要点まとめ
ポイント
伝達とは、シナプスで見られる、神経細胞間の興奮の伝わりです。
興奮は、神経末端から細胞体の樹状突起へ、一方向に伝えられることが特徴でした。
次の図を見てください。
これは、シナプスの様子を拡大したものです。
図で、上には神経細胞の神経末端が、下には別の神経細胞の樹状突起が描かれています。
2つの神経細胞の間はつながっているのではなく、隙間が空いているのです。
この隙間をシナプス間隙といいます。
ここで、興奮の伝達がなされるのです。
Ca2+流入⇒シナプス小胞から神経伝達物質分泌
シナプス間隙では、どのようにして興奮の伝達が行われているのでしょうか?
伝達のメカニズムを、順を追って見ていきましょう。
まず、神経末端へ到達した活動電流は、Ca2+チャネルを刺激します。
図では、神経末端の左上部にCa2+チャネルが描かれていますね。
活動電流によって刺激されると、通常は閉じているCa2+チャネルが開きます。
Ca2+は、細胞内では低濃度、細胞外では高濃度になっています。
そのため、Ca2+チャネルが開くと、神経末端にCa2+が流入します。
次に、Ca2+は、シナプス小胞を刺激します。
シナプス小胞とは、神経末端に多数あるカプセルのようなものです。
また、シナプス小胞は神経伝達物質を含んでいることが特徴です。
刺激されたシナプス小胞は、シナプス間隙のほうへと移動していきます。
続けて、シナプス小胞の膜と神経末端の細胞膜が融合します。
これは、それぞれの膜が同じ材質でできているために起こる現象です。
すると、シナプス小胞に含まれる神経伝達物質が、シナプス間隙に分泌されます。
神経伝達物質受容⇒Na+流入⇒活動電位発生
図では、樹状突起に5つの構造体が描かれていますね。
これは、Na+チャネルにL字型をした受容体がくっついたものです。
シナプス間隙に分泌された神経伝達物質は、樹状突起の受容体に結合します。
この刺激によって、通常は閉じているNa+チャネルが開きます。
Na+は、細胞内では低濃度、細胞外では高濃度になっています。
そのため、Na+チャネルが開くと、樹状突起にNa+が流入します。
Na+が流入することで、樹状突起に活動電位が生じるのです。
伝達も伝導と同じように、細胞内にNa+が流入することで活動電位が生じます。
しかし、活動電流はシナプス間隙を跳び越えて樹状突起を刺激することはできません。
そのため、神経伝達物質を介して興奮を伝え、隣の神経細胞に活動電流を生じさせるのです。
このようなメカニズムで、興奮が次々と隣の神経細胞へ伝わっていきます。
神経末端には神経伝達物質を分泌するしくみがあり、樹状突起には神経伝達物質を受容するしくみがあるのです。
そのため、興奮は一方向に伝わっていくのですね。
伝達のメカニズムについておさえましょう。
伝達のメカニズムについて見ていきましょう。