5分でわかる!収縮メカニズム
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この動画の要点まとめ
ポイント
アセチルコリンが受容体に結合⇒筋小胞体からCa2+放出
筋肉の組織は、運動神経を通して伝えられた神経の興奮を受けて収縮します。
次の図を見てください。
図の左上には運動神経の神経終末が描かれています。
運動神経より下に描かれているのは、1個の筋繊維の中身です。
神経の興奮は、活動電流というかたちで運動神経の神経終末まで伝わります。
図で、運動神経の神経終末に丸い粒がたくさん描かれていますね。
これはシナプス小胞です。
シナプス小胞の中には、アセチルコリンという神経伝達物質が入っています。
まず、活動電流はシナプス小胞を刺激して、アセチルコリンを神経細胞外へ放出させます。
図で、筋繊維の表面が一部細長くへこんでいるのが分かりますか?
ここはT管と呼ばれ、その奥にはアセチルコリンの受容体があります。
細胞外へ放出されたアセチルコリンは、T管の奥にある受容体と結合するのです。
次に、受容体に付属しているNa+チャネルが開き、Na+が筋繊維へ流入します。
すると、その刺激が筋繊維内の筋小胞体に作用します。
筋小胞体は、大量のCa2+を蓄えていることが特徴です。
刺激を受けた筋小胞体は、筋繊維内にCa2+を放出するのです。
細胞質中に放出されたCa2+は、筋原繊維に作用します。
筋原繊維は、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントからなる細胞内構造体でしたね。
Ca2+が筋原繊維に作用することで、最終的に筋収縮が起こるのです。
トロポミオシン構造変化⇒ミオシンヘッドの移動が可能に
Ca2+によって筋原繊維が構造変化する様子を見ていきましょう。
次の図を見てください。これは筋原繊維の拡大図です。
図で、Z膜から伸びている横長の構造体はアクチンフィラメントです。
また、図の中央に描かれている横長の構造体はミオシンフィラメントです。
Ca2+は、アクチンフィラメント上にあるトロポミオシンがもつトロポニンに結合します。
トロポミオシンは、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが結合しないように間に割り込んでいるタンパク質です。
Ca2+の作用により、トロポミオシンは折り畳まれたような構造に変化します。
トロポミオシンの構造が変化したことで、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントは結合できるようになります。
このとき、ミオシンヘッドと呼ばれるミオシンフィラメントの両端が、アクチンフィラメントに結合するのです。
さらに、ミオシンヘッドに含まれるATP分解酵素が活性化します。
図では、ATP分解酵素はミオシンヘッドの中に丸い形で描かれています。
活性化したATP分解酵素は、周囲のATPを分解してエネルギーを取り出します。
このエネルギーを利用して、ミオシンヘッドが移動するのです。
こうして、ミオシンフィラメントの両側からアクチンフィラメントが引き寄せられるような動きが生まれます。
筋収縮においては、筋節と明帯の長さが短くなるのです。
筋収縮は、様々な反応が連続的に起きる結果として見られる現象なのですね。
筋収縮のメカニズムをしっかりとおさえましょう。
筋収縮のメカニズムを詳しく見ていきましょう。