5分で解ける!動物の行動:生得的行動に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
生得的行動についておさえよう
鮭は、稚魚は流れに乗って下流へ移動し、成魚は流れに逆らって上流へ移動します。
このように、水の流れに対する走性を流れ走性といいます。
しかし、流れに乗るなら正の流れ走性、流れに逆らうなら負の流れ走性、ではありません!
走性の定義を思い出しながら確認しましょう。
走性の正負は、刺激源に向かうか、刺激源から遠ざかるかで決定されました。
刺激源に向かう走性が正の走性、刺激源から遠ざかる走性が負の走性です。
流れ走性において、刺激源は山頂のような川の水源です。
そのため、成魚が川を上るような水源に向かう走性は正の流れ走性です。
そして、稚魚が川を下るような水源から遠ざかる走性は負の流れ走性です。
間違えないように注意しましょう。
イトヨという魚には、繁殖行動という生得的行動が備わっています。
イトヨの繁殖行動の一番初めの鍵刺激は、雌の腹側の膨らみです。
お腹に卵を蓄えている雌に出会うと、雄はジグザグダンスというダンスを始めます。
雄のジグザグダンスを見た雌は雄を追従するようになり、雄は雌を自分の巣に誘導します。
雌が巣に入ると、雄は雌をつつき、雌は巣の中で放卵して巣から出て行きます。
最後に、雄が巣の中に入り、卵に放精をして受精が完了します。
ここまでの一連の流れが、イトヨの繁殖行動です。
イトヨの一連の繁殖行動は連鎖的に発現しており、1個前の行動が次の相手の行動の鍵刺激となっているのですね。
イトヨには、攻撃行動という生得的行動も備わっています。
イトヨの攻撃行動の鍵刺激は、相手の腹側の赤みです。
①の模型は、形はイトヨと似ていますが、体のどこにも赤みはありません。
②の模型は、背側だけに赤みがあります。
③の模型は、形こそめちゃめちゃですが、腹側に赤みがあります。
よって、イトヨが攻撃行動を引き起こすのは、③の模型に対してです。
イトヨの生得的行動の特徴をおさえましょう。
鮭は、稚魚と成魚で生活する環境が異なります。
鮭の卵は川の上流でふ化し、稚魚は川を下って海が近い下流へ移動します。
やがて成魚になった鮭は、川を上って上流へ移動し、そこで産卵するのです。