5分でわかる!慣れ・鋭敏化
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この動画の要点まとめ
ポイント
慣れ:複数回の刺激で反応を起こさなくなる
まずは慣れについて見ていきます。
図はアメフラシを裏側から見た様子です。上側が頭、下側が尾になっています。
また、水が出入りする水管や、えらも描かれていますね。
最初に、下の図のようにアメフラシの水管に刺激を与えてみましょう。
図で、アメフラシに与えられた刺激は円錐のようなマークで示されています。
アメフラシは、水管に刺激が与えられるとえらを引っ込める性質があります。
このまま続けて水管に刺激を与えると、アメフラシの反応はどうなるのでしょうか?
実は、水管に刺激を与えるたびに、あまりえらを引っ込めなくなるのです。
アメフラシは、1回目に水管を刺激されたときはびっくりしてえらを引っ込めます。
しかし、その刺激が生命に危険がないことを学習して、反応を起こさなくなるのです。
このように、複数回の刺激によって反応が見られなくなる現象を慣れといいます。
次に、水管への刺激に対して慣れが成立したアメフラシを使って、水管以外の場所へ刺激を与えてみましょう。
次の図を見てください。
図では、水管とは別の場所に刺激が与えられています。
すると、1回目の刺激と同じようにえらを引っ込めるのです。
このアメフラシは、水管への刺激に対しては慣れが成立していましたが、他の箇所への刺激に対しては慣れが成立していないのです。
このように、別箇所への刺激によって反応が引き起こされる現象を脱慣れといいます。
1箇所への刺激に対して慣れが成立していたとしても、同じ刺激が別の箇所に与えられると、慣れは簡単に解除されてしまうということですね。
鋭敏化:強刺激を与え続けると弱刺激にも反応する
次に鋭敏化について見ていきます。
まずは、アメフラシの尾に強刺激を与えます。
強刺激とは、アメフラシにとって生命の危機を感じるくらいの強い刺激です。
するとアメフラシは、強くえらを引っ込めます。
この強刺激を、何度か尾に与えます。
その後、このアメフラシの尾に弱刺激を与えると、どのような反応を示すのでしょうか?
実は、強刺激が与えられたときと同じように、強くえらを引っ込めるのです。
このように、強刺激を与えた後、弱刺激にも大きな反応を示すことを鋭敏化といいます。
アメフラシは、同じ箇所に何度も強刺激が与えられると、この箇所に与えられる刺激は生命の危機につながるような刺激なんだ、と記憶します。
そのため、弱刺激が与えられたときでも、強刺激が与えられたときと同じような反応が引き起こされるのです。
慣れや鋭敏化といった行動は、生来備わっているわけではありません。
様々な刺激を経験するという学習に基づいて成立する習得的行動なのですね。
慣れや鋭敏化についておさえましょう。
習得的行動のうち慣れと鋭敏化について、アメフラシを例にして見ていきましょう。
アメフラシとは、海に住んでいるナメクジのような生物です。