5分でわかる!鋭敏化のメカニズム
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この動画の要点まとめ
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図はアメフラシの断面図です。左側が尾、右側が頭となっています。
尾からは2本の感覚神経が伸びています。
上の感覚神経は介在神経を介して運動神経に接続しており、下の感覚神経は運動神経に直接接続しています。
通常、尾に刺激が与えられると、感覚神経から運動神経へと刺激が伝えられて、えらが反応を起こします。
セロトニン放出⇒cAMP産生⇒K+流出減少
鋭敏化のメカニズムを確認するために、感覚神経・介在神経・運動神経が接している部分を拡大してみましょう。
図では、左上に介在神経の末端、左に感覚神経の末端、中央に運動神経、右にえらが描かれています。
尾に強刺激が与えられると、刺激は介在神経を伝わっていきます。
すると、介在神経の末端から感覚神経へ、セロトニンという神経伝達物質が放出されます。
放出されたセロトニンは、感覚神経の受容体で受容されます。
セロトニンが受容されると、cAMP(サイクリックエーエムピー)が感覚神経の細胞内に産生されます。
アメフラシの尾に与えられた刺激は、活動電流というかたちで感覚神経の末端へ伝えられます。
すると、感覚神経の末端でNa+の流入が起こり、脱分極が起こります。
通常はこのあとにK+の流出が起こって膜電位がマイナスに戻ろうとします。
しかし、産生されたcAMPはK+の流出を減少させるのです。
cAMPは興奮状態を長引かせ、脱分極を継続させるということですね。
Ca2+流入増加⇒神経伝達物質の分泌量増加⇒大きな反応!
脱分極の状態が長く続くと、どのような現象が起こるのでしょうか。
感覚神経の末端に到達した活動電流は、Ca2+チャネルを開き、Ca2+の流入が起こす性質があります。
しかし、脱分極が継続されると、Ca2+チャネルが長く開くため、通常よりもCa2+の流入量が増加するのです。
Ca2+は、感覚神経の末端にあるシナプス小胞を刺激する性質がありました。
シナプス小胞とは、神経伝達物質を含んでいる小胞でしたね。
Ca2+の流入量が増加すると、シナプス小胞が通常よりも過剰に刺激されます。
すると、分泌される神経伝達物質の量が増加するのです。
感覚神経の末端から通常よりも多い神経伝達物質が分泌されると、それらを受容した運動神経では強い興奮が発生します。
その結果、強くえらを引っ込める反応が起こるのです。
このように、尾に強刺激を何度も与えると、感覚神経の末端には多量の神経伝達物質が蓄積されます。
すると、弱刺激を与えたときでも、通常より多い神経伝達物質が運動神経にて受容されます。
そのため、強刺激を与えたときと同じように、強くえらを引っ込める反応が起こるのです。
これが鋭敏化のメカニズムなのですね。
鋭敏化のメカニズムの流れを意識して覚えるようにしましょう。
鋭敏化とは、強刺激を与えると弱刺激にも大きな反応を示す現象でしたね。
鋭敏化のメカニズムについて、アメフラシを例に詳しく見ていきましょう。