5分で解ける!習得的行動:慣れ、鋭敏化に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
鋭敏化についておさえよう
慣れは、特定の箇所で成立していたとしても、その他の箇所では成立していません。
そのため、一度慣れが成立しても、刺激を別の場所に与えると、同じような反応が引き起こされます。
このように、別箇所への刺激によって反応が引き起こされる現象を脱慣れといいます。
1箇所への刺激に対して慣れが成立していたとしても、同じ刺激が別の箇所に与えられると、慣れは簡単に解除されてしまうということですね。
強刺激とは、生物が生命の危機を感じるくらいの強い刺激です。
生物は、特定の箇所に何度も強刺激が与えられると、この箇所への刺激は生命の危機につながる刺激であると学習していきます。
すると、同じ場所に弱刺激を与えたときでも、まるで強い刺激が加わったように大きな反応が引き起こされてしまうのです。
このように、強刺激を与えた後に、弱刺激にも大きな反応を示す現象を鋭敏化といいます。
鋭敏化のメカニズムを確認しましょう。
生物に強刺激が与えられると、刺激は介在神経を伝わり、末端から感覚神経へある情報伝達物質が分泌されます。
この情報伝達物質をセロトニンといいます。
セロトニンが感覚神経の受容体に受容されると、感覚神経の末端ではcAMPが産生されます。
cAMPは、細胞からのK+の流出を減少させ、脱分極を継続させる性質がありました。
脱分極が継続すると、細胞へのCa2+の流入が多くなります。
すると、Ca2+は通常よりも過剰にシナプス小胞を刺激します。
シナプス小胞とは、情報伝達物質を含んでいる小胞でしたね。
よって、感覚神経から分泌される神経伝達物質は増加することになります。
多量の神経伝達物質が運動神経で受容されると、えらでの反応は通常よりも強くなることが特徴です。
このような反応が何度も繰り返されると、感覚神経の末端に神経伝達物質が蓄積されていきます。
すると、弱刺激が与えられた場合でも、感覚神経から分泌される神経伝達物質が通常よりも多くなります。
そのため、えらでの反応は強刺激を与えられたときと同じように、強くなるのです。
鋭敏化のメカニズムを、流れを意識しながらしっかり覚えましょう。
生物の特定の箇所に何度も同じ刺激が与えられると、学習によって反応が鈍くなっていきます。
このように、複数回の刺激によって反応が見られなくなる現象を慣れといいます。