攪乱の種類と役目についてみていきましょう。

攪乱とは、生態系を破壊して、その維持に影響を与えることです。
具体的には台風・火山の噴火・河川の氾濫などの自然災害があげられます。

攪乱の役目について、台風にさらされたサンゴ礁を例にみていきましょう。

上のグラフは、縦軸はサンゴの種類、横軸はサンゴの被度を表しています。
サンゴの被度とは、海域中でサンゴが生息する割合のことです。
グラフ中には、攪乱の規模も示されています。

攪乱の規模が大きいと、多数のサンゴが死滅するため、種類も被度が低くなります。
一方、攪乱の規模が小さいと、被度は高いものの、種類は少なくなります。
これは、競争に強い種類のみが生き残るからでした。

攪乱の規模が大きすぎても小さすぎても種類は少なくなります。
中規模の攪乱が起こることが、種の多様性につながるのです。
このように、中規模・一定頻度の攪乱が生物多様性を大きくさせるという説を中規模攪乱説といいます。

極相林においても、台風など中規模の攪乱が起こると、林冠を構成する高木が倒れ、ギャップが形成されます。
これによって、極相種以外の様々な遷移段階の植物が育つ機会が生まれるのです。