近交弱勢についてみていきましょう。

次の図は、生物が絶滅するまでの流れと原因を、簡単にまとめたものです。

例えば、道路ができるなどの分断化によって、個体群がいくつかに分けられたとしましょう。
このとき、分けられた一つ一つの個体群を局所個体群といいます。

道幅の広い道路が作られたり、道路の車通りが多かったりすると、局所個体群はその場所から動くことができません。
すると、個体群どうしで行き来ができなくなり、孤立化していきます。

孤立化が進むと、個体群内で近親交配をする必要が生じます。
しかし、近親交配では有害遺伝子の割合が上がってしまうのです。
その結果、出生率の低下や死亡率の増加が引き起こされます。
これを近交弱勢といいます。

近交弱勢は、絶滅への第一歩なのですね。