今回は貸す・借りる系動詞の使い分けについて解説しよう。日本語では「貸す」「借りる」の2種類しかないけど，英語では，borrow，lend，rent，useの4種類もあるよ。それぞれ使い方にルールがあるので注意して覚えていこう。

次の例題を通して考えるよ。

(1)は「お金を借りた」を， ＿＿＿ some money で表す問題だね。(2)は「(私に)お金を貸した」を， ＿＿＿ me some money で表そう。

「貸す・借りる」を表す ときに使う動詞は，主にborrow，lend，rent，useの4つ。(1)では、下線の直後にsome moneyと 「物」 がきているね。(2)では、下線の直後は me と 「人」 がきているよ。

実は，この4つは、直後に何が来るかで「貸す」か「借りる」かを見分けることができるよ。それぞれの使い方のポイントと一緒にを解説していこう。

まず，次のポイントの一番上 borrow「～を借りる」 の使い方をおさえよう。

「borrow 物　(from人）」 で 「（人から）物を借りる」 となるよ。borrowは，お金や本，車などを無料で借りるときに使う動詞なんだ。borrow の直後にくる目的語は物。誰から借りるかはfrom 人で表すよ。語順についても覚えておこう。

次にポイントの二番目 lend 人 物「人に物を貸す」 の使い方をおさえよう。

「lend 人 物」 で 「人に物を（無料で）貸す」 だよ。lendは，お金や本，車などを無料で貸すときに使う動詞だよ。

ちなみに、物をlendの直後に置いたときは，lend 物 to 人「人に物を貸す」となるよ。この形が例外的にあることも覚えておこう。

「rent 人 物」 で 「人に物を（有料で）貸す」 だよ。
ポイントの三番目 rentは「有料」のときに使う表現 であることをしっかり押さえておこう。

ちなみに、rentも直後に「物」を置くと、rent 物 to 人 で「(有料で)人に物を貸す」と表現できるよ。

また，rentは 有料で借りる ときにも使う表現だよ。
rent 物「(有料で)人に物を借りる」 となることも覚えておこう。とにかく有料の貸し借りはrentなんだね。

ポイントの最後 useはトイレや固定電話などを「その場で借りる」ときに使う表現 。useが使われていることから、借りるものを使う前提だということが分かるね。

ちなみに、同じ「借りる」でも，borrowは「お金や本などの移動できる物」が対象で，useは「トイレや固定電話などの移動できない物」が対象となるよ。

(1)では，「お金を借りた」という表現を考えよう。
「借りる」 は，borrow，rent，useの3通りの動詞があったね。

まず，rentは有料での貸し借りで使う表現。ここではふさわしくないよ。また，useはトイレや固定電話などの移動できない物を借りるときに使うもので，お金に対しては使わないよ。

正解は borrow 物 from 人「人から物を借りる」 だね。some moneyが物，my friendが人に当たるよ。過去形のborrowedを入れて，I borrowed some money from my friend.「私は友人からお金を借りた。」となるんだね。

(2)では，「お金を(私に)貸してくれた」という表現を考えよう。
「貸す」 は，lend，rentの2通りの動詞があったね。

rentは貸す・借りるの両方で使えるけど，有料のときに限られたよね。「お金を貸す」は lend 人 物「人に物を貸す」 で表現しよう。meが人，some moneyが物に当たるよ。過去形のlentを入れて，My friend lent me some money.「私の友人がお金を貸してくれた。」となるんだね。

(3)では，「私に部屋を貸してくれた」という表現を考えよう。
「貸す」 は，lend，rentの2通りの動詞があったね。

一般的に，部屋の貸し借りは有料で行われるから，今回は 「(有料で)人に物を貸す」rent 人 物 の表現を使おう。rentの過去形rentを入れて，She rent me the room.「彼女は私のその部屋を貸してくれた。」となるんだね。

(4)では，「電話を借りる」という表現を考えよう。
「借りる」 は，borrow，rent，useの3通りの動詞があったね。このうち，トイレや固定電話などの移動できない物を借りるときに使うのはuseになるよ。