5分でわかる!ユークリッドの互除法
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この動画の要点まとめ
ポイント
最大公約数がわかる公式
そこで、素因数分解をしなくても2つの数の最大公約数がわかる法則 「ユークリッドの互除法」 について学習しよう。
整数Aを整数Bで割ったとき、 「A=B×(商)+(余り)」 と表すことができるよね。このときの 「商」 を q 、 「余り」 を r とおくと、 「A=Bq+r」 と書き表すことができる。このとき、 「AとB」の最大公約数は、「Bとr」の最大公約数と等しくなる んだ。
ユークリッドの互除法を使えば、 「722と171の最大公約数は?」 などのように 大きい数の最大公約数 をたずねられても、最大公約数を簡単に求められるよ。具体的な互除法の使い方を、次のページで確認しよう。
【補足】ユークリッドの互除法が成り立つことの証明
ユークリッドの互除法が、なぜ成り立つのか気になる人もいるよね。証明は少し難しいんだけど、余裕がある人は、次の証明の手順についても流れをつかんでおこう。
2つの正の整数A,B(A>B)について,AをBで割ったときの商をq,余りをr,最大公約数をgとするとき,互いに素な自然数a',b'(a'>b')を用いて,
A=ga',B=gb'
と表すことができる。
このとき,
A-B=g(a'-b')
より,A,B,A-Bは,gを公約数にもつ。
また,「a',b'が互いに素であれば、a'(またはb')とa'-b'も互いに素である」という性質から,
AとBの最大公約数は,A-BとBの最大公約数に等しい。……①
①を繰り返し用いると,
A-BとBの最大公約数は,A-2BとBの最大公約数に等しい。
A-2BとBの最大公約数は,A-3BとBの最大公約数に等しい。
・
・
・
A-(q-1)BとBの最大公約数は,A-qBとBの最大公約数に等しい。
つまり,
AとBの最大公約数は,A-qBとBの最大公約数に等しい。……②
が成り立つ。
ここで,A,Bについて商と余りの関係から,
A=Bq+r
⇔ A-qB=r ……③
②,③から,
AとBの最大公約数は,Bとrの最大公約数に等しい。
ある2つの数の最大公約数を求めるとき、これまではそれぞれの数を素因数分解して求めてきたね。でも、例えば 「722と171の最大公約数は?」 などのように 大きい数の最大公約数 をたずねられると、それぞれの数を素因数分解するのはちょっと骨が折れそうだ。