5分でわかる!数学的帰納法(1)
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この動画の要点まとめ
ポイント
数学的帰納法とは?
難しい言葉が出てきましたね? まず、帰納法とはどんなものか知っていますか。 帰納法 とは、さまざまな事実や事例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論法を指します。簡単にいうと、 具体例をいくつかあつめて一般的な法則を導き出す 作業ですね。この論法を数学で行うのが 数学的帰納法 です。ポイントを確認しましょう。
nによってあらわされる式T(n)について、すべての自然数nで成り立つことを示すときに使えるのが数学的帰納法 です。上のポイントで、数学的帰納法が何を行っているのかを簡単に解説します。
n=1のときT(1)が成り立つことを確認
数学的帰納法では、まずn=1のときに、T(n)の式が成り立っているかどうかを確認します。帰納法とは、さまざまな具体例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論法でしたね。手始めに、n=1からT(n)の式を満たすかどうかを確認するのです。
n=kの時、T(k)が成り立つことを仮定
n=1が成り立つことがわかったら、次は「任意の値kについてT(n)の式が成り立つ」ことを仮定します。この時点では、すべての自然数nでT(n)成り立がつどうかは証明できていません。あくまで 仮定 することに注意しましょう。
n=k+1の時もT(k+1)が成り立つことを証明
なぜ「任意の値kについてT(n)の式が成り立つ」ことを仮定するのでしょうか? それは、 もしn=kで成り立つとすれば、kよりも1つ大きいn=k+1の時も成り立つことを証明する ためです。これが示せると、次のようなことがいえるわけです。
「n=1のときにT(n)の式が成り立つ」ことは確認したので、n=1より1つ大きい「n=1+1でもT(n)の式が成り立つ」。さらにこの論法を続けて、
n=2+1でも、T(n)の式が成り立つ
n=3+1でも、T(n)の式が成り立つ
n=4+1でも、T(n)の式が成り立つ
n=5+1でも、T(n)の式が成り立つ
n=6+1でも、T(n)の式が成り立つ
……と、すべての自然数nで成り立つことが示せるわけです。
数学的帰納法が何をやろうとしているかは理解できましたか? ただし、具体的な問題がないと、いったいどう利用していいかわかりませんね。例題で数学的帰納法の記述表現を身に着けたあと、練習で実践的な問題を解いてみましょう。
今回のテーマは 数学的帰納法 です。