高校数学Ⅲ
5分で解ける!複素数のn乗根(1)に関する問題
- 問題
この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
複素数のn乗根(1)
解説
これでわかる!
問題の解説授業
両辺を極形式で表す
znについての方程式は,まず両辺を極形式で表すのが手順です。z=r(cosθ+isinθ),0≦θ<2πとおくと,z3=8iの左辺は,
z3=r3(cos3θ+isin3θ)
となります。ド・モアブルの定理を使って整理していますね。
一方,z3=8iの右辺を極形式で表すと, 8i=8(0+i) と見て,
8i=8{cos(π/2)+isin(π/2)}
です。
したがって,
r3(cos3θ+isin3θ)=8{cos(π/2)+isin(π/2)}
とできましたね。両辺を極形式にして比較するのがこの問題のポイントなのです。
極形式の絶対値の部分を比較
r3(cos3θ+isin3θ)=8{cos(π/2)+isin(π/2)}
において,両辺の絶対値と偏角が等しくなるように式をつくりましょう。
まず絶対値の部分について。
r3=8
r=2
とわかりました。
「3θ=π/2」の立式はNG
次に偏角の部分について立式しましょう。
ここで単純に,
3θ=π/2
とするのは間違いになります。なぜだか,わかりますか?
いま0≦θ<2πと設定しているので,0≦3θ<6πですよね。したがって,
3θ=π/2,5π/2,9π/2
と3通りの値をとりうるのです。両辺を3で割って,
θ=π/6,5π/6,3π/2
と求まりました。
z=r(cosθ+isinθ)に代入
求めたr=2およびθ=π/6,5π/6,3π/2を,z=r(cosθ+isinθ)に代入すれば答えがわかりますね。
z3=8iの方程式を解く問題です。3回かけて,8iになる複素数zの値を求めるのですね。この問題を通して,複素数のn乗根の一般的な解法を解説します。次のポイントにしたがって解いていきましょう。