高校数学Ⅲ
5分で解ける!複素数のn乗根(2)に関する問題
- 問題
この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
複素数のn乗根(2)
解説
これでわかる!
問題の解説授業
このときに注意点があります。両辺の偏角を比較するときは,偏角のとりうる範囲に気をつけましょう。
両辺を極形式で表す
znについての方程式は,まず両辺を極形式で表すのが手順です。z=r(cosθ+isinθ),0≦θ<2πとおくと,z2=1+√3iの左辺は,
z2=r2(cos2θ+isin2θ)
となります。ド・モアブルの定理を使って整理していますね。
一方,z2=1+√3iの右辺を極形式で表すと,|1+√3i|=√(12+√32)=2より,
1+√3i=2{cos(π/3)+isin(π/3)}
です。
したがって,
r2(cos2θ+isin2θ)=2{cos(π/3)+isin(π/3)}
とできましたね。両辺を極形式にして比較するのがこの問題のポイントなのです。
極形式の絶対値の部分を比較
r2(cos2θ+isin2θ)=2{cos(π/3)+isin(π/3)}
において,両辺の絶対値と偏角が等しくなるように式をつくりましょう。
まず絶対値の部分について。
r2=2
r=√2
とわかりました。
「2θ=π/3」の立式はNG
次に偏角の部分について立式しましょう。
ここで単純に,
2θ=π/3
とするのは間違いになります。なぜだか,わかりますか?
いま0≦θ<2πと設定しているので,0≦2θ<4πですよね。したがって,
2θ=π/3,7π/3
と2通りの値をとりうるのです。両辺を2で割って,
θ=π/6,7π/6
と求まりました。
z=r(cosθ+isinθ)に代入
求めたr=√2およびθ=π/6,7π/6を,z=r(cosθ+isinθ)に代入すれば答えがわかりますね。
z2=1+√3iの方程式を解く問題です。2回かけて,1+√3iになる複素数zの値を求めるのですね。複素数のn乗根の一般的な解法は,前回の授業で学習しましたね。両辺を極形式で表し,絶対値と偏角を比較するのがポイントでした。