5分で解ける!媒介変数表示の曲線に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
媒介変数とは?
媒介変数は聞きなれない言葉ですよね。簡単に言うと,xとyの関係を間接的に表す変数のことです。例えば,(1)の式を見てください。
x=t+1,y=t2+4tとあります。tの値が変化すると,x,yの値も変化し,(x,y)の値の組合せが決まっていくことがわかるでしょうか?
試しにt=0とt=1を代入してみると,
t=0のとき
x=0+1=1,y=02+4×0=0
となり,(x,y)の値が(1,0)に定まります。
t=1のとき
x=1+1=2,y=12+4×1=5
となり,(x,y)の値が(2,5)に定まります。
x=t+1,y=t2+4tという式が,変数tによってxとyの関係が間接的に表されていることがわかりましたか。tの値の変化によって(x,y)の値の組合せが決まっていき,曲線Cができあがります。
x,yの関係式に変換するには?
この問題では,曲線Cをx,yの方程式で表すのがゴールです。ようするに, x=(tの式),y=(tの式) を手掛かりにして,直接x,yの関係式をつくることができればよいのです。
tを消去したx,yの関係式ができれば,直線,放物線,円などの図形の方程式が出てきます。
「t=~」の式を代入
では,与えられた式からx,yの関係式をつくっていきましょう。x=t+1より,
t=x-1
と表せますね。このようにして 「t=~」の式 を作ったら, y=(tの式) に代入しましょう。
y=t2+4t
y= (x-1)2 +4 (x-1)
tが消去され,x,yの関係式をつくることができました。これを整理すると,曲線Cの方程式になります。
「√t=~」の式を代入
与えられた式からx,yの関係式をつくっていきましょう。x=2√tより,
√t=x/2
と表せますね。 y=(tの式) に√tが登場するので,「t=~」の式にせず,√t=x/2のまま代入していきます。
y=√t-2t
y= (x/2) -2× (x/2)2
tが消去され,x,yの関係式をつくることができました。これを整理すると,曲線Cの方程式になります。
ただし,このまま答えとすると誤りになってしまいます。その理由がわかりますか?
y=(x/2)-(x2/2) という式では,xの変域が実数全体となりますよね。しかし,実際にはx=2√tで,√t≧0よりx≧0となります。 y=(x/2)-(x2/2) という式に,x≧0という制限をつけないと,正しい答えにはならないのです。
x≧0という制限は,些細なことに見えるかもしれませんが,とても重要です。tを消去した後のx,yの変域には十分注意しましょう。
変数tで表されたxとyの式を手掛かりに,曲線Cの方程式を求める問題です。この問題で出てくる変数tを媒介変数といいます。