5分で解ける!三角関数表示の曲線(1)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
解説
θを消去して,x,yの関係式をつくるには?
この問題では,曲線Cをx,yの方程式で表し,グラフを描くのがゴールです。ようするに, x=(θの式),y=(θの式) を手掛かりにして,直接x,yの関係式をつくることができればよいのです。
前回の授業では,媒介変数tで表されたx,yの式について,xの式から「t=~」の式をつくり,yの式に代入しました。しかし,この問題では,
x=2cosθ+2
⇔cosθ=(x-2)/2
としても,y=3sinθ+3にうまく代入できません。いったい,どうすればよいでしょうか?
解き方のポイントは,数学Ⅰで学習した三角比の相互関係の公式の利用です。
sin2θ+cos2θ=1は常に成り立ちます。x=2cosθ+2,y=3sinθ+3の式からは, cosθ=(xの式),sinθ=(yの式) が作れますね。これらをsin2θ+cos2θ=1に代入すると,うまくx,yの関係式をつくることができるのです。
「sin2θ+cos2θ=1」の式に代入
では,与えられた式からx,yの関係式をつくっていきましょう。x=2cosθ+2,y=3sinθ+3より,
cosθ=(x-2)/2
sinθ=(y-3)/3
と表せますね。このようにして cosθ=(xの式),sinθ=(yの式) を作ったら,sin2θ+cos2θ=1に代入しましょう。
sin2θ+cos2θ=1
{(x-2)/2}2 + {(y-3)/3}2 =1
tが消去され,x,yの関係式をつくることができました。これを整理すると,曲線Cの方程式になります。
これは楕円の方程式ですね。中心の座標はカッコの2乗の中身が0になる(x,y)を考え,(2,3)です。グラフを描くには,あと長軸・短軸の長さを求めましょう。x2,y2の分母は,それぞれ22,32となっているので,短軸の長さ2×2=4,長軸の長さ3×2=6である縦長の楕円となりますね。
x=2cosθ+2,y=3sinθ+3のように,xとyの式が三角関数cosθ,sinθによって表されています。この問題では,θが媒介変数となります。変数θによってxとyの関係が間接的に表されているのですね。