高校数学Ⅲ
5分で解ける!無理関数のグラフと直線の共有点に関する問題
- 問題
この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
無理関数のグラフと直線の共有点
解説
これでわかる!
問題の解説授業
「√(2x+2)=x-3⇔2x+2=(x-3)2」は誤り
y=√(2x+2)のとりうる範囲
なぜ誤りになるか,わかりますか? √(2x+2)=x-3 の式をよく見てください。左辺は必ず0以上の値になるのに対し,右辺はマイナスになる可能性もありますよね。この両辺を2乗して, 2x+2=(x-3)2 を解くと,√(2x+2)が正の値で,x-3が負の値となるような存在しない解まで出てしまうのです。
無理式を扱うときは,式がとりうる値の範囲を目で確認しておくことが大事です。グラフを描き,交点がしっかり存在するかどうかを確認するのが大事なポイントです。
無理関数のグラフと直線を描く
では,具体的に問題を解いていきましょう。y=√(2x+2)のグラフは,点(-1,0)を出発点とする右上がりの曲線ですね。y=x-3のグラフは,傾き1,切片-3の直線です。2つのグラフを描くと次のようになりますね。
注目してほしいのは交点の位置です。交点は1つで,x≧3の位置にありますよね。交点の位置を確認してから,①②の式を連立していきます。
x-3=√(2x+2)を解く
①②より,
x-3=√(2x+2)
と連立できます。両辺を2乗して,
(x-3)2=2x+2
の2次方程式を解いていきます。
x2-8x+7=0
⇔(x-1)(x-7)=0
⇔x=1,7
となりますね。
交点の位置を確認
ただし, x=1,7 の2つとも解になるわけではありません。もう1度図を確認すると,
交点は1つで,x≧3の位置にあります。したがって, x=7 が共有点のx座標ですね。②の式に代入して,y座標はy=7-3=4となります。
無理関数の曲線と直線との共有点の座標を求める問題です。2つのグラフの共有点のx座標は,式を連立したときの方程式の実数解でしたよね。したがって,
√(2x+2)=x-3
とし,両辺を2乗して,
2x+2=(x-3)2
の2次方程式を解けばいい……と思っていませんか? 実は,これだけでは誤りです。