高校数学Ⅲ
5分で解ける!無理不等式に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
無理不等式
解説
これでわかる!
問題の解説授業
無理関数のグラフと,1次関数のグラフを活用
無理不等式f(x)≧g(x)の一般的な解法は次のポイントの通りです。y=(左辺の式),y=(右辺の式)という2つの関数のグラフを描くのが重要になります。
xy平面は,上下の高さでyの値を表します。高ければ高い方がyの値は大きくなりますよね。したがって,2つのグラフを見比べ,y=f(x)のグラフがy=g(x)の上側にあるような範囲がf(x)≧g(x)となるxの範囲になるのです。以前に学習した分数不等式の解法と同じ解き方ですね。
y=√(x+2)のグラフと,y=xのグラフを描く
では,この問題を実際に解いていきましょう。y=√(x+2)のグラフは,点(-2,0)を出発点とする右上がりの曲線です。一方,y=xのグラフは,原点(0,0)を通る傾き1の直線です。
交点の座標を求める
図より,①のy=√(x+2)グラフが,②のy=xの直線より上側となるxの範囲が答えとなります。
交点の座標は,2式を連立して,
√(x+2)=x
両辺を2乗して,
x+2=x2
⇔x2-x+2=0
⇔(x-2)(x+1)=0
となり,x=-1,2が解だとわかります。ただし,交点は1つでしたよね。下の図から,x=2が交点のx座標だとわかります。
①のy=√(x+2)グラフが,②のy=xの直線より上側となるxの範囲は,図より,-2≦x<2とわかりました。
①のグラフの定義域は,ルートの中身が0以上となる-2≦xなので,左端点のx=-2は含まれます。一方,右端点のx=2は,√(x+2)>xより含まれません。
左辺が√(x+2),右辺がxという不等式です。無理式はついつい両辺を2乗したくなりますが,不等式ではそうもいきません。√(x+2)が0以上の値であるのに対し,xはマイナスの値である可能性もあります。 √(x+2)>x⇔(x+2)>x2ではない のです。