5分でわかる!等比数列の極限(1)
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この動画の要点まとめ
ポイント
{an}=r,r2,r3,r4,……の極限
初項r,公比rの等比数列{an}は,
{an}=r,r2,r3,r4,……rn
と表されますね。自然数nの値が∞を目指して進むとき,anの極限について考えてみましょう。
r=2のときは∞を目指す
例えば,公比r=2のとき,
{an}=2,22,23,24,……2n
と表されますね。nが大きくなるほどanの値は大きくなり,∞を目指して進むとき,anも∞を目指すことがわかります。しかし,だからといって,rnの極限が∞と決めることはできません。
r=0.1のときは0を目指す
例えば,公比r=0.1のとき,
{an}=0.1,(0.1)2,(0.1)3,(0.1)4,……(0.1)n
と表されます。nが大きくなるほどanの値は小さくなり,∞を目指して進むとき,anは0を目指すことがわかります。
つまり,等比数列rnの極限は場合分けをして考えなければならないのです。
公比rの範囲によって5パターンある!
r=2とr=0.1を例にとりましたが,実は等比数列rnの極限は公比rの範囲によって5パターンあります。次のポイントを確認しましょう。
①-1<r<1のとき
rnの極限は0になります。先ほどの例のr=0.1のように,絶対値が1よりも小さい値をかけ算し続けると,rnの値はどんどん0に近づいていくのです。
②r=1のとき
rnの極限は1になります。r=1を何度かけ算しても,rnの値は1のままですね。
③r>1のとき
rnの極限は∞になります。先ほどの例のr=2のように,1よりも大きい公比をかけ算し続けると,rnの値はどんどん大きくなり,∞に向かうのです。
④r=-1のとき
rnの極限はありません。r=-1をかけ算し続けると,rnの値は+1と-1を交互に取り続け,目指す値が定まりません。このように極限をもたず,正の数と負の数を繰り返すことを 「振動する」 といいます。
⑤r<-1のとき
rnの極限はありません。-1よりも小さい公比をかけ算し続けると,rnの値は正の数と負の数を交互に取り続け,目指す値が定まりません。r<-1のとき,rnの極限はなく,±∞で振動します。
数学Bで学習した等比数列を覚えていますか?
{an}=2,22,23,24,……
のように,同じ値(公比)をかけ算し続ける数列を等比数列と言いました。今回は,等比数列の極限について解説します。