5分で解ける!漸化式と極限に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
漸化式の解き方のおさらい
といっても,特別な解法手順を覚える必要はありません。まずは,漸化式で定められる数列{an}の一般項を求めましょう。その後で,anの極限を求めればよいのです。
ただし,漸化式の解き方をしっかり身に着けていない人もいますよね。この機会に振り返っておきましょう。
漸化式では, an+1,anの代わりにαとおいた式(特性方程式) をつくり,連立方程式のように並べて引きます。すると,
an+1-α=r(an-α)
と変形できますね。これは,数列{an-α}が公比rの等比数列であることを示しています。数列{an-α}の初項は(a1-α),公比はrであることから,一般項が求められますね。
数列{an}の一般項がわかったら,あとはnが∞を目指すときの極限を求めればよいのです。
この手順に従って,実際に問題を解いていきましょう。
一般項anを求める
an+1=(1/2)an+2は,an+1とanの間で常に成り立つ漸化式ですね。もし,an+1=(1/2)anであれば,公比2の等比数列とわかりますが,an+1=(1/2)an+2の部分が邪魔をしています。
そこで, an+1,anの代わりにαとおいた式(特性方程式) をつくり,連立方程式のように並べて引いて「+2」を消しましょう。
an+1-α=(1/2)(an-α)
と変形できました。これは,数列{an-α}が公比1/2の等比数列であることを示していますね。つまり,数列{an-α}の初項は(a1-α),公比は1/2となり,一般項an-αが求められるのです。
式の4行目で,αの値は②の方程式を解くことにより,α=4と求めています。(anの式)が出てきましたね。ここまでは,数学Bの「数列」で学習した漸化式の解き方とまったく同じです。
anの極限を求める
anの式は,
an=4-3×(1/2)n-1
とわかりました。あとはnが∞を目指すときの極限を次のように求めましょう。
(1/2)n-1の極限は,-1<(公比1/2)<1より0となりますね。したがって,anの極限は定数項の4だけが残ります。
an+1=(1/2)an+2のように,数列の隣り合う項(an+1とan)の間で常に成り立つ関係式のことを漸化式と言いましたね。今回の問題は,漸化式で定められる数列{an}の極限を求める問題です。