高校数学Ⅲ
5分で解ける!無限級数の性質に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
無限級数の性質
解説
これでわかる!
問題の解説授業
(3n-2n)/5nを式変形すると……
しかし,慌てることはありません。Σの横の式をよく見てみましょう。(3n-2n)/5nを分解してみると,
(3n/5n)-(2n/5n)=(3/5)n-(2/5)n
(公比3/5の等比数列)-(公比2/5の等比数列) になるのです。
これをもとに,数列an=(3n-2n)/5nの第n項までの和Snがわかれば,
①第n項までの和Snを計算
②Snの極限を計算
の手順で無限級数の和を求めることができますね。
第n項までの和Snを計算
まずは①第n項までの和Snを計算し, Sn=(nの式) で表すことを考えます。Σの横の式は,(3/5)n-(2/5)n,つまり (初項・公比3/5の等比数列)-(初項・公比2/5の等比数列) に式変形できるので,次のように計算できます。
と 第n項までの和Sn が求まりました。
Snの極限を計算
第n項までの和Sn がわかればあとひと息です。次に,Snの極限を求めればよいですね。nが∞を目指して進むとき, Snはどんな値を目指すかわかりますか? Snのうち,nを含む項の(3/5)nと(2/5)nに注目しましょう。-1<3/5<1,-1<2/5<1より,(3/5)nと(2/5)nはnの値が∞に向かうと,0に収束しますね。したがって,Snのうち,nを含まない(3/2-2/3)の部分が求める等比級数となります。
無限級数の性質をポイントでまとめておきましょう。
今回のように,Σの横の式が2つの数列にわかれているときは,Σを分解し,まずは第n項までの和Snを求めます。そのあとで,nが∞を目指して進むときのSnの極限を求めればよいのです。
問題のΣは,数列an=(3n-2n)/5nが無限に続くときの項の和を表しています。これまで,差分解できる分数で表された数列や等比数列の無限級数を扱ってきましたが,それらの数列とはちょっと毛色が異なりますね。