高校数学Ⅲ
5分で解ける!関数の極限の計算(3)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
関数の極限の計算(3)
解説
これでわかる!
問題の解説授業
分母が0になる!?
分母の(x-1)を消すように計算
極限を計算する上で邪魔になっているのは,左辺の分母の(x-1)です。したがって,分母の(x-1)を消すことを目指して,次のように計算をしましょう。
分母の(x-1)を消すには,(x-1)をかけ算すればよいですね。しかし,左辺にだけ(x-1)をかけ算することはできません。方程式は両辺に同じ数をかけ算しても式が成り立つので,両辺に limx→1(x-1) をかけ算するのです。
左辺では,limx→1(x-1)同じlimの中に入れて(x-1)を約分で消し,右辺ではlimx→1(x-1)=0 としています。これにより,分母の(x-1)が消えた
limx→1(a√x+b)=0
という式が出てきます。
x=1を代入してa,bの式をつくる
limx→1(a√x+b)=0 より,
a+b=0 つまり b=-a
と表せましたね。これを①の式に代入して,
となりました。この式に,x=1を単純代入すると,「0÷0」の不定形となることがわかりますね。分母を次のように因数分解し,約分によって不定形を解消しましょう。
分母・分子が上手く(√x-1)で約分できる形になりました。約分した後,x=1を単純代入することで,a,bの値を求めることができますね。
今回の問題のポイントを一般式でまとめると次のようになります。
大事な発想は,分母の0を消すように計算するという点です。関数の極限の計算の中でもハイレベルな問題でしたね。
xが1を目指して進むときの極限を求めます。limの横の式に注目すると,x=1を単純代入したとき,分母の(x-1)は0を目指して進み,分子の(a√x+b)は定数a+bを目指して進みます。 分母が0,分子が定数 となり,本来ならば計算はできません。しかし,この式の極限は2という定数が出ています。いったいどういうことでしょうか?