5分でわかる!中間値の定理
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この動画の要点まとめ
ポイント
「中間値の定理」とは?
中間値の定理は,次のように定義されています。
……といっても,これだけ読んでサッと理解できる人は少ないですよね。具体例をもとに見ていきましょう。
曲線y=f(x)とx軸との交点に注目
区間a≦x≦bで連続である関数f(x)を考えます。関数f(x)が連続であるとき,y=f(x)のグラフは切れ目のない曲線になりましたね。
この関数f(x)について,区間a≦x≦bの端っこであるx=a,x=bのf(x)の値がそれぞれ正,負であったとします。つまり,f(a)>0,f(b)<0ですね。
このとき,y=f(x)のグラフは,必ずx軸と交わることがわかりますか? 図をよく見てください。f(a)>0のとき,曲線はx軸の上側にありますね。一方,f(b)<0のとき,曲線はx軸の下側にきます。y=f(x)のグラフが切れ目のない曲線である限り,f(a)>0,f(b)<0であれば,必ずa≦x≦bの区間でx軸と交わることになります。
x軸との交点は「方程式の解」になる
ここで数学Ⅰの「2次関数」で学習した知識を思い出しましょう。x軸を言い換えると,y=0の直線です。よって,曲線y=f(x)とx軸との交点のx座標は,方程式f(x)=0の解となりましたね。
例えば,上の図では,y=f(x)のグラフがx軸と3点で交わっています。このことから,方程式f(x)=0は異なる3つの実数解を持つことがわかります。
これらの論理をまとめると,
①連続である関数f(x)がa≦x≦bの区間でf(a)>0,f(b)<0
↓
②y=f(x)はa≦x≦bの区間でx軸と交わる
↓
③方程式f(x)=0はa≦x≦bの区間で実数解を持つ
となります。区間a≦x≦bの中間で実数解を持つことが示せるので,これを中間値の定理といいます。
「中間値の定理」をもう1度振り返ろう
具体例では,f(a)>0,f(b)<0としましたが,より一般的に左端のf(a)と,右端のf(b)が異符号という条件のもと,中間値の定理は次のように定義されます。
文章と式で覚えようとしても頭には入ってきません。図をイメージすることが大事です。y=f(x)のグラフで,左端がx軸の上側(下側),右端がx軸の下側(上側)ならば,必ずその間で実数解を持つ,とおさえておきましょう。
今回は連続である関数について成り立つ中間値の定理について解説します。