5分で解ける!不等式の証明(3)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
f'(x)=0の方程式が解けない!?
f(x)=cosx-{1-(x2/2)}とおきます。y=f(x)のグラフをかくために,f(x)の増減や極値を求めていきます。
f(x)を微分すると,
f'(x)=-sinx+x
f'(x)=0となるのは,
x=sinx
ですが,この方程式,みなさん解けますか?シンプルな式に見えますが,x=sinxの解はなかなか見つかりません!
f'(x)の符号さえわかればよい
このように,f'(x)=0の解が見つからないときは,方針転換しましょう。f'(x)=0の解を見つけることを諦めて,f'(x)の符号がプラスかマイナスかを見極めにいきます。
f'(x)の符号は,曲線y=f'(x)のグラフから求めます。y=f'(x)のグラフが,x軸より上側にあればf'(x)>0,x軸より下側にあればf'(x)<0です。y=f'(x)のグラフの概形を求めるために,y=f'(x)を微分して,
f''(x)=1-cosx
-1≦cosx≦1より,1-cosx≧0であるから,f''(x)≧0が常に成り立ちます。つまり,f'(x)は増加関数なのです。
増加関数f'(x)におけるx≧0での最小値はf'(0)です。
f'(0)=0-sin0=0
つまり,f'(x)は最小値0で,増加しつづける関数となります。これをグラフにすると,
f'(x)≧0であることがわかりました。つまり,f'(x)の符号は常にプラス,f(x)も増加関数だと言えますね。
f(x)の最小値を求める!
増加関数f(x)において,最小値が0以上であれば,f(x)≧0が成り立ちます。x≧0での最小値はf(0)となり,
f(0)=cos0-{1-(02/2)}=1-1=0
つまり,f(x)は最小値0で,増加しつづける関数となります。これをグラフにすると,
f(x)≧0であることがわかりました。よって,x≧0で,
f(x)=cosx-{1-(x2/2)}≧0
が証明できましたね。等号成立は,f(x)=0となるときなので,x=0のときです。証明の記述は,以下のように書くとよいでしょう。
f'(x)=0の方程式が解けないときの解法
不等式f(x)≧0において,f'(x)=0の方程式が解けないときの解法はつかめましたか? ポイントをまとめると以下のようになります。
x≧0のとき,cosx≧1-(x2/2) を証明する問題です。前回,前々回の授業同様に,(大きい方)ー(小さい方)≧0 つまり cosx-{1-(x2/2)}≧0 の証明を目指して計算していきましょう。ただし,実はこの問題,1か所だけ計算が上手く進められない部分がでてきます。