5分で解ける!方程式の実数解の個数(2)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
方程式の解の個数は,式だけ見てもまったく手掛かりがつかめません。実数解の個数といわれたときは,次のポイントのようにグラフで考えるのが解法のセオリーです。
曲線y=(ex/x)のグラフと,直線y=aとの共有点の個数を調べればよいのですね。実際にこの問題で,実数解の個数を求めていきましょう。
±∞,±0を目指すときの極限値は?
曲線y=(ex/x)のグラフと,直線y=aとの共有点の個数を調べます。式y=(ex/x)をパッと見ただけでは,曲線の概形はわかりません。ただし,問題文にはxが∞を目指すときの極限が∞だと与えられていますね。これより,グラフの右側はどんどん上昇していくことがわかります。
他にも,極限を求めておきましょう。xが-∞を目指すときの極限は,次の計算をすると0ですね。
つまり,グラフの左側はx軸に近づいていくことがわかります。
さらに,y=(ex/x)は分数関数であり,x≠0です。分母が0となるx=0を漸近線にもちます。y軸を境に分断された曲線をイメージしてください。曲線がx=0に右側から近づくときの極限と,左側から近づくときの極限はそれぞれ,
y軸に右側から近づくときは∞,左側から近づくときは-∞とわかりました。
極限からわかった 曲線y=(ex/x) の特徴を整理すると,
・左側はx軸に近づく
・y軸に左側から近づきながら下降
・x≠0
・y軸に右側から近づきながら上昇
・右側は上昇
となります。
y'=0の解を求め,増減表をかく
では,曲線の形をもっと具体的に決めていきましょう。
導関数y' は,商の微分公式より,
x≠0の範囲でy'=0 となるのは,
x-1=0
となるとき,つまり x=1 です。y'の符号は,(x-1)が決定し,x=1の前後で符号が変化します。
x≠0のとき,
x<1では,
(x-1)<0となり,y'<0ですね。よって,yは減少しています。
1<xでは,
(x-1)>0となり,y'>0ですね。よって,yは増加しています。
これらの情報をもとに増減表をかくと,
x=1では,
y=(e/1)= e
で,極小値となっています。
極限値と増減表をもとにグラフをかく
これまでに集めた 曲線y=(ex/x) の特徴を整理すると,
・左側はx軸に近づく
・x<0では,右下がり
・y軸に左側から近づきながら下降
・x≠0
・y軸に右側から近づきながら上昇
・0<x<1では,右下がり
・x=1では,極小値e
・1<xでは,右上がり
となります。
よって,次のようなグラフが描けます。
いよいよ,このグラフをもとに直線y=aとの交点の個数を求めていきましょう。
直線y=aを上から下げていく
交点の個数を考えるときは,直線y=aを上下に動かすのがわかりやすいです。
まず,y=aがy=eよりも上側にあるときは,交点2個ですね。ここから,直線を少しずつ下げていくと,
y=e で,曲線の極小値と交わり,交点1個
0≦y<e で,曲線と交わらず,交点0個
y<0 で,曲線と1点で交わり,交点1個
とわかります。
交点の個数が,まさしく方程式の実数解の個数示すので,次のように答えが出せます。
方程式(ex/x)=aの実数解の個数を求める問題です。この方程式を満たすxの値が,1個なのか2個なのか,あるいは3個,4個……なのかを答えればよいのですね。