5分でわかる!関数f(x)の1次近似式
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この動画の要点まとめ
ポイント
1次近似式とは?
複雑で扱いにくい関数について,その一部を単純な関数である1次関数y=ax+bで近似させることを1次近似といいます。
例えば,hが限りなく0に近い値のとき,log(1+h)という式はhの関数ですね。ここに,h=0.01を代入すると,
log(1+h)=log(1.01)
という式が出てきますが,log(1.01)の値は簡単には求められません。
そんなときに活躍するのが1次近似式なのです。log(1+h)は,実は1次近似式で表すと,
log(1+h) ≒ 1×h+log1
と,とても単純な式で近似されます。これにより,log(1.01)は「だいたい(1×0.01)+log1=0.01に近い値なんだな」と予測できるわけです。
1次近似式を求める手順
ある関数f(x)の1次近似式をつくるときは,曲線y=f(x)の接線の方程式がカギになります。
順を追って説明しましょう。例えば,曲線y=f(x)があり,f(x)はx=aで微分可能だとします。ここから0に限りなく近いhだけ進んだx=a+hの値f(a+h)について考えます。
x=aにおける接線の方程式は,傾きf'(a),通る1点の座標が(a,f(a))であることから,接線公式より,
接線:y=f'(a)(x-a)+f(a)
と,立式できますね。接線上で,0に限りなく近いhだけ進んだx=a+hの値は,
y=f'(a)(a+h-a)+f(a)
⇔ y=f'(a)h+f(a)
とhの1次式で表せます。
一方,関数f(x)において,x=aの値はf(a)です。ここから0に限りなく近いhだけ進んだx=a+hの値は,f(a+h)です。
hが限りなく0に近いとき,下の図の曲線と接線は限りなく近づいていきますよね。
つまり,x=a+hにおける接線の値①と曲線の値②が限りなく近づくことになり,複雑な関数の値②を単純な関数の値①に近似できるのです。
この式を,関数f(x)の1次近似式と呼びます。
以下に,1次近似式の説明をポイントとしてまとめておきました。問題1,問題2では,実際に1次近似式を求めていきましょう。
今回は,関数f(x)の1次近似式について解説します。