5分で解ける!置換積分法(1)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
置換積分法とは?
置換積分法とは,xを別の文字に置き換えて積分する方法のことを言います。
例えば,今回の問題x√(1-x)の積分を考えてみましょう。xで積分しようと思うと,xと√(1-x)の積になっている上,√(1-x)は合成関数になっているので,とても積分しにくいですね。そこで,ルートの中身をシンプルな式に置き換えて積分するのが置換積分法です。
t=1-xとおくと……
ルートの中身をシンプルな式に置き換えて積分したいので,1-xをtに置きかえると,
t=1-x
ですね。この式からx=1-tでもあるので,
∫x√(1-x)dx
=∫(1-t)√(t)dx
=∫(1-t)t(1/2)dx
= ∫{t(1/2)-t(3/2)}dx
積の形を解消して,tの(1/2)乗と,tの(3/2)乗の項だけで表せました。
dxをdtで表すと……
∫{t(1/2)-t(3/2)}dx は,t(1/2)-t(3/2)をxで不定積分するという意味です。t(1/2)-t(3/2)をtで積分するには,dxをdtに書き換える必要がありますね。いま,t=1-xより,両辺をxで微分して,
(d/dx)t=-1
つまり,dx=-dtとなるわけです。これを ∫{t(1/2)-t(3/2)}dx に代入して,
∫{t(1/2)-t(3/2)}dx=-∫{t(1/2)-t(3/2)}dt
tで積分できる式に変形できましたね。
tで積分した後,xに戻す
-∫{t(1/2)-t(3/2)}dt において,t(1/2)の積分は(2/3)t(3/2)です。また,t(3/2)の積分は(2/5)t(5/2)です。積分定数Cをつけて,
となりますね。ここで,tをxの式に戻すことを忘れないでください。tはあくまで積分しやすいように置きかえた文字なので,問題で与えられた文字xに戻す必要があります。
ルートの中身をtと置いて積分
置換積分法の解法はつかめましたか? このように,ルートがある式を積分するときは, ルートの中身をtと置いて積分 するとうまくいくことが多いです。解法の手順をしっかり覚えておきましょう。
今回から計5回の授業で,置換積分法について解説しましょう。第1回目の授業では,x√(1-x)の不定積分を扱います。