高校数学Ⅲ
5分で解ける!置換積分法(5)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
置換積分法(5)
解説
これでわかる!
問題の解説授業
1つしかないsinxを作り出す
sin2xcosxや,cos2xsinxであれば,1つしかないcosx,sinxに注目して,置換積分できることを前回学習しましたね。しかし,今回は,sin3xとsinだけの式になっています。
こんなときは,強引に1つしかないsinxを作り出すことを考えましょう。三角関数の公式sin2x=1-cos2xを使うと,次のように式変形できますね。
1つしかないsinxの部分を,sinxdxのカタマリで見ます。そして,残った式をt=cosxの関数と見ると,積分計算を進めることができます。……といっても,抽象的なポイントではわかりませんよね。具体的に,sin3xを積分していきましょう。
t=cosxとおいて,両辺を微分
∫sin3xdxは,
∫(sin2x)sinxdx
=∫(1-cos2x)sinxdx
と見ます。
ここで,cosxをtに置きかえると,
t=cosx
ですね。この式の両辺をxで微分すると,
(d/dx)t=-sinx
より,
-dt=sinxdx
sinxdxを-dtに置きかえる ことができますね!
sinxdxを-dtに置きかえる
sinxdx=-dt
を使うと,
∫(1-cos2x)sinxdx
=∫(1-t2) -dt
= ∫(t2-1)dt
(t2-1)の不定積分の式に書き換えられました。
tで積分した後,xに戻す
t2の積分は(1/3)t3,-1の積分は-tです。積分定数Cをつけて,答えが出てきますね。答案では,tをxの式に戻すことを忘れないでください。tはあくまで積分しやすいように置きかえた文字なので,問題で与えられた文字xに戻す必要があります。
大事なポイントは,1つしかないsinx,cosxに注目することです。ここをしっかりおさえておきましょう。
今回は置換積分法の第5回目の授業です。sin3xの不定積分を扱いましょう。