高校数学Ⅲ
5分でわかる!部分積分法(1)
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この動画の要点まとめ
ポイント
部分積分法(1)
これでわかる!
ポイントの解説授業
部分積分法とは?
部分積分法とは,関数の積の積分を計算しやすいように変形する方法のことをいいます。ある2つの関数f(x),g(x)について,積で表されたf(x)g(x)の不定積分∫f(x)g(x)dxを考えます。∫f(x)g(x)dxは,部分積分法を使うと,次のように計算できます。
この式は部分積分法の公式として覚えておく必要があります。
積分しやすいf(x) 微分しやすいg(x)
もう一度,部分積分法の式を眺めてみましょう。
2つの関数f(x),g(x)のうち,f(x)は積分されたF(x)になっていますね。部分積分法とは,計算しやすいように変形する方法なので,積分しやすいほうをf(x)にあてはめてください。一方,g(x)は微分されたg'(x)になっています。微分しやすいほうをg(x)にあてはめてください。
例えば,xexの積分を考えます。xは微分すると1になってくれるのでg(x)=xとおき,exは積分してもexのままなのでf(x)=exとおきます。すると,∫f(x)g(x)dxは,部分積分法によって次のように計算できるわけです。
この部分積分法を活用して,問題1,問題2にチャレンジしてみましょう。
部分積分法の証明
なお,部分積分法は,積の微分公式より証明できます。
2つの関数f(x),g(x)について,∫f(x)dx=F(x)とするとき,積の微分公式より,
{F(x)g(x)}'=f(x)g(x)+F(x)g'(x)
両辺を積分して,
F(x)g(x)=∫f(x)g(x)+∫F(x)g'(x)
⇔ ∫f(x)g(x)=F(x)g(x)-∫F(x)g'(x)
導出ももちろん大事ですが,一番重要なのはf(x)とg(x)の見極めです。 積分しやすい方がf(x),微分しやすい方がg(x) を覚えておきましょう。
今回から計3回の授業で,部分積分法について解説しましょう。