5分で解ける!定積分の置換積分(2)に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
t=1-x2とおくと……大失敗!
無理関数が登場する式 を積分するときには,ルートの中身をtとおく置換積分法が有効でした。
ただし,この問題では,t=1-x2とおくと,
∫√(1-x2)dx=∫√(t)dx……①
また,t=1-x2の両辺を微分すると,
(d/dx)t=-2x つまり,xdx=-(1/2)dt……②
①,②をあわせて,①をtの積分の式にしたいのですが,うまくいきませんね。
実は,√(1-x2)の積分で,t=1-x2とおくのは無理筋なのです。
1-〇2を□2にするには?
では,いったいどう考えたらよいのでしょうか? √(1-x2)の中身が,もし2乗の形であれば,ルートがうまく外れてくれますね。 (1-x2)を□2に置換 する方法を考えましょう。
1-〇2=□2
これって,三角関数で見た公式ですよね。そう,
1-sin2θ=cos2θ
です。 √(1-x2)は,x=sinθとおくことで,
√(1-x2)=√(cos2θ)=|cosθ|
とうまくルートを外すことができます。
θの範囲をしっかり確認
x=sinθとおいて,この問題を解いていきましょう。まず,積分区間の確認です。xは0から1まで動くので,θは,
x=0のとき,sinθ=0より,θ=0
x=1のとき,sinθ=1より,θ=(π/2)
となります。つまり,θは0から(π/2)まで動くことがわかりますね。
x=sinθの両辺をθで微分すると,
(d/dθ)x=cosθ より,dx=cosθdθとなります。
よって,x=sinθとおくとき,
∫01√(1-x2) dx
=∫0(π/2){√(1-sin2θ)} cosθdθ
=∫0(π/2)cos2θdθ
と置換できました。
cos2θを積分して,(上端)ー(下端)を計算
cos2θを積分するときは,三角関数の2倍角の公式が使えます。
cos2θ=2cos2θ-1
より,次のように積分計算を進めることができますね。
あとは,上端の(π/2),下端の0を代入して「(上端)ー(下端)」を計算すれば,答えが求まります。
√(a2-x2)のときに使える置換積分
x=sinθの置換を,はじめて見る問題で思いつくのはなかなか厳しいです。この問題を例に, √(a2-x2)の定積分で使える解法 として,x=asinθの置換を覚えておくとよいでしょう。
√(1-x2)を,0から1の区間で定積分する問題です。「積分した式を求める」→「(上端)ー(下端)」の順番で計算していきましょう。