高校数学Ⅲ
5分で解ける!定積分の置換積分(4)に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
定積分の置換積分(4)
解説
これでわかる!
問題の解説授業
「f'(x)/f(x)の積分」や「差分解して積分」は使えない
分数関数は,これまでに「f'(x)/f(x)の積分」や「因数分解をした後,差分解して積分」によって計算を進めてきました。しかし,今回の1/(1+x2)は,f'(x)/f(x)の形でなく,因数分解もできません。
では,いったいどう考えたらよいのでしょうか? ここでも,実は,前回,前々回の授業同様に,三角関数の公式が活躍します。(1+x2)を,
1+tan2θ=1/cos2θ
と比較して考えてみましょう。x=tanθとおくことで,
1+x2=1+tan2θ=(1/cos2θ)
と変換できます。
θの範囲をしっかり確認
x=tanθとおいて,この問題を解いていきましょう。まず,積分区間の確認です。xは0から1まで動くので,θは,
x=0のとき,tanθ=0より,θ=0
x=1のとき,tanθ=1より,θ=(π/4)
となります。つまり,θは0から(π/4)まで動くことがわかりますね。
x=tanθの両辺をθで微分すると,
(d/dθ)x=(1/cos2θ) より,dx=(1/cos2θ)dθとなります。
よって,x=tanθとおくとき,次のように積分計算を進められます。
積分して,(上端)ー(下端)を計算
1を積分すると,θです。あとは,上端の(π/4),下端の0を代入して「(上端)ー(下端)」を計算すれば,答えが求まります。
(a2+x2)のときに使える置換積分
x=tanθの置換を,はじめて見る問題で思いつくのはなかなか厳しいです。この問題を例に, (a2+x2)の定積分で使える解法 として,x=atanθの置換を覚えておくとよいでしょう。
1/(1+x2)を,0から1の区間で定積分する問題です。「積分した式を求める」→「(上端)ー(下端)」の順番で計算していきましょう。