5分でわかる!偶関数・奇関数の定積分
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この動画の要点まとめ
ポイント
偶関数・奇関数とは?
ある関数f(x)について, f(-x)=f(x) が成り立つとき,関数f(x)を偶関数と言います。例えば,f(x)=x2や,g(x)=x4+x2を考えてください。(-x)2=x2,(-x)4+(-x)2=x4+x2より,f(x),g(x)は偶関数ですね。
これに対して,ある関数f(x)について, f(-x)=-f(x) が成り立つとき,関数f(x)を奇関数と言います。例えば,f(x)=xや,g(x)=x3+xを考えてください。(-x)3=-x3,(-x)3+(-x)=-{x3+x}より,f(x),g(x)は奇関数ですね。
偶関数は「y軸について対称」だから……
f(x)が偶関数であるとき,つまり,f(-x)=f(x)のとき,y=f(x)のグラフはy軸について対称になります。f(x)=x2の放物線がよい例になります。このとき,
∫-aax2dxは,下の斜線部の面積を表します。
グラフがy軸について対称だということを考えると,面積の合計を表す∫-aax2dxは,y軸の右側の面積を表す∫0ax2dxを2倍した値であるとわかりますね。
奇関数は「原点について対称」だから……
f(x)が奇関数であるとき,つまり,f(-x)=-f(x)のとき,y=f(x)のグラフは原点について対称になります。f(x)=x3の曲線がよい例になります。このとき,
∫-aax3dxは,下の斜線部の面積を表します(x軸より下側の斜線部の面積はマイナスと考える)。
グラフが原点について対称だということを考えると,面積の合計を表す∫-aax3dxは,y軸の右側と左側で相殺しあって0になるとわかりますね。
「偶関数・奇関数の定積分」で計算が簡単に!
関数f(x)について,-aからaの区間で定積分を求めるとき,f(x)が偶関数,あるいは奇関数であれば,計算を大幅に省略できます。特に,f(x)が奇関数であれば,-aからaの区間の定積分は0になります。
この計算テクニックを使えば,計算量を大幅に減らし,計算ミスも防げるようになります。
今回は,偶関数・奇関数の定積分について解説します。偶関数・奇関数の定積分をおさえておくと,定積分の計算が少しラクになります。