高校数学Ⅲ
5分で解ける!区分求積法に関する問題
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この動画の問題と解説
問題
一緒に解いてみよう
区分求積法
解説
これでわかる!
問題の解説授業
区分求積法とは?
区分求積法は,曲線によって囲まれる面積を,たくさんの長方形に分割して計算する解法です。例えば,f(x)=x2とおくとき,曲線y=x2とx軸,およびx=1で囲まれる図形の面積は,
図の色を塗った部分です。この面積が,積分法を使って,
∫01x2dx
で求められることは,学習しましたね。
一方,同じ面積を極限を使って表してみます。曲線y=x2とx軸,およびx=1で囲まれる図形を,n個の長方形に分割してみましょう。
図のように,横の長さが(1/n),縦の長さが(1/n)2,(2/n)2,(3/n)2……,(n/n)2である長方形になりますね。これらの長方形の面積の和は,
(1/n){(1/n)2+(2/n)2+(3/n)2+……+(n/n)2}
=(1/n){f(1/n)+f(2/n)+f(3/n)+……+f(n/n)}
です。このとき,n分割のnを∞に近づけていく極限を考えれば,曲線からはみ出た長方形の部分が小さくなっていき,面積∫01x2dxと等しい値になります。このように,面積を細分化して考える方法を区分求積法というのです。
区分求積法の意味がわかりましたか? この解法を使って,冒頭で示された問題を解いてみましょう。
(1/n)でくくって見ると……
まず,limの右側の式をSnとおき,n分割します。
ここで,f(x)=(1/x+1)とおくと,Snは,横の長さ(1/n),縦の長さf(1),f(2),……,f(n)の長方形の面積の和を表します。つまり,Snは,下図の斜線部の面積を表すのです。
nが∞を目指すとき,積分の式に置き換えられる
求める値は,nが∞を目指すときのlimSnです。nが∞を目指すとき,下図の斜線部の面積は,曲線y=f(x)とx軸,およびx=1で囲まれる図形の面積と等しくなりますね。よって,与式は定積分∫01f(x)dxに置き換えて計算できるのです。
分数式の和の極限を求める問題です。「あれっ!? 積分法の授業なのに,どうして極限が……」と不思議に思う人もいますよね。実はこの問題,区分求積法を使って,極限と積分を結びつけて解く問題なのです。