物体が重力を受けて落下する運動のうち、「自由落下」「投げ下げ(投げ下ろし)」「投げ上げ」「水平投射」について学習してきましたね。今回は 斜め上方向に物体を投げ出す「斜方投射」 について解説していきましょう。

下の図を使って考えていきます。

図では、地面から物体が速度v₀で右斜め上方に投げ出されています。このとき物体は 放物線 を描いて飛んでいき、やがて地面に達します。この運動を 斜方投射 と言います。

水平投射や斜方投射のような運動は、 放物運動 と言います。斜方投射も水平投射と同じように、運動を2つの方向、つまり 鉛直方向(y方向) と 水平方向(x方向) に分解して考えてみましょう。

まずは初速度を y方向に沿った成分v₀sinθ 、 x方向に沿った成分v₀cosθ に分解します。y方向もx方向も、初速度の向きをそれぞれ正に定めましょう。

初速度を分解したら、次はx方向とy方向、それぞれに注目して運動を分析していきます。

横から見るとき、つまりy方向に注目すると運動はどのように見えるでしょうか？ y方向の初速度は v_０sinθ のみですね。また、y方向には下向きに重力加速度gがはたらきます。

つまり、上の図のように斜方投射におけるy方向の運動は、 v₀sinθの投げ上げ運動 として見ることができますね。