5分でわかる!水圧
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この動画の要点まとめ
ポイント
下の図のように水の入ったコップを元にして考えていきましょう。
大気圧をP0[Pa]とし、水が入っているコップの断面積をS[m2]、高さをh[m]としています。また水の密度をρ[kg/m3]とおきました。密度とは 1[m3]あたりの質量 を表したもので、一般にギリシャ文字の記号 ρ(ロー) で表されます。この図において、コップの底にかかる水圧はいったいいくらになるでしょうか。
コップの水には3つの力がはたらいている
水だけを取り出して、はたらく力を考えてみましょう。水には次の図の①,②,③の力がはたらき、この3力のつりあいを考えることで、水圧の大きさを求めることができます。
①重力
水には質量があるため、図の ①重力 がはたらきます。水の質量をm[kg]とおくと重力の大きさはmg[N]となりますね。水1[m3]あたりの質量を表す密度はρ[kg/m3]なので、質量mは次のように表すことができます。
m[kg]=ρ[kg/m3]×断面積S[m2]×高さh[m]
したがって、水の重力は以下のように表されます。
mg=ρShg
②大気圧の力
重力のほかにも、水にはたらく力があります。図の ②大気圧による力 ですね。コップの上側の水は空気と接しているので、大気圧による力がはたらいています。その大きさは大気圧をP0[Pa]にコップの断面積S[m2]をかけることで P0S と求められます。
③コップの底から受ける力
また、図の ③水がコップの底から受ける力 もありますね。水はコップの底を押すので、当然コップの底も水を押し上げています。作用・反作用の法則から、 コップの底を押す力とコップの底から押し上げる力は同じ大きさで逆向き となりますね。コップの底にはたらく水圧をPとおくと、底が押し上げる力もこの水圧Pとその面積Sを用いて PS[N] と表現することができます。
上向きの力と下向きの力が等しい
水には3つの力がはたらくことがわかりました。ここで、コップの中の水は静止していることを思い出してください。つまり、 上向きに水を押し上げる力PSと、下向きにはたらく重力mg=ρShgと大気圧による力P0Sの和が同じ大きさになる ということです。したがって、以下のように力のつりあいが成り立ちますね。
両辺を断面積S[m2]で割って整理することにより、 水圧P=P0+ρhgの公式 を求めることができました。
式より、 「hが大きくなる=深くなる」につれて水圧も大きくなる ことがわかります。水圧を求める式については、そのまま覚えるのではなく力のつりあいからいつでも自分で計算して求められるようにしておきましょう。
水による圧力を 水圧 といいます。圧力は「1[m2]あたりの力」のことを言い、「力F÷面積S」で求めることができましたね。水圧も同じようにして求めることができるのでしょうか?