5分でわかる!圧力の大きさ
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この動画の要点まとめ
ポイント
(上面を押す力)と(下面を押す力)の合力
下の図を見てください。水槽に円柱の形をした物体を沈めています。
この円柱には、 上面に水圧によって押し下げられる力 、 下面に水圧によって押し上げられる力 がはたらきますね。では、(上面を押す力)と(下面を押す力)、いったいどちらの力が大きいかはわかりますか?
水圧はP=P0+ρhgと表され、 深さh[m]が深ければ深いほど水圧が大きくなります。 つまり 下の面のほうが上の面に比べて深いため、大きな水圧がはたらく のです。下面の水圧のほうが大きいということは、 (上面を押す力)<(下面を押す力) となりますね。したがって、上下方向の 合力 は上向きとなるのです。
(上面を押す力)と(下面を押す力)の合力によって、物体を押し上げる力を 浮力 といいます。ちなみに左右の側面にも水圧がはたらいていますが、左右は深さが同じなので力が相殺されています。
浮力を求める「難しい方法」と「簡単な方法」
この浮力をF[N]とおくとき、浮力の求め方は2通りあります。ひとつはとても面倒くさい方法、そしてもうひとつは簡単に求められる方法です。
まず、とても 面倒な方法 。
①上面の水圧による力を計算する
②下面の水圧による力を計算する
③この2つの力の合力を計算する
という方法です。この方法は先程説明した浮力の定義から考えたやり方ですが、計算も多いので面倒だということがわかると思います。
それではもうひとつの 簡単に求められる方法 を説明したいと思います。ここで思い切って 物体は水だ と考えてみましょう。すると、 物体(=水)が水中で静止している ということになりますよね!物体が静止しているのは、どんなときでしたか? そう、力がつりあうときです。 物体(=水)にかかる上向きの浮力F と、 物体(=水)にかかる下向きの重力mg が等しいということから、 F=mg と求めることができます。
物体(=水)の重力をρとVで表す
物体にかかる上向きの浮力F は、 物体を水に置きかえたときの下向きの重力mg と等しいことがわかりましたか? さらに、質量m[kg]を水の密度ρ[kg/m3]、水の体積V[m3]を用いて、 F=mg を変形すると、
F=mg
⇔ F=ρVg
となりますね。
この式はとても重要な式です。丸暗記するのではなく、自分で導き出せるようにしておきましょう。 物体を水に置き換え、つり合いの式から浮力を考える 。これが重要なポイントです。
今回のテーマは 浮力 です。浮力は身近な物理現象ですね。例えば、コップの中の水に軽いボールを押し込むとボールは浮力によって浮かび上がってきます。ボールを浮かび上がらせる浮力は、実は 水圧 と大きな関係があります。