5分でわかる!気柱に生じた定常波の波長
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この動画の要点まとめ
ポイント
開いている端は「開端」、閉じている端は「閉端」
では、気柱に生じる定常波がどのような形になるかを見ていきましょう。下の図を見てください。
一端が開いていて、一端が閉じている長さがLの管があります。開いている端のことを 開端 、閉じている端のことを 閉端 といいます。
閉端は分子が振動できず、節になる
この図では、おんさを使って管の中に音波を送り込んでいます。
音波は管の中を伝わっていき、閉端で反射します。すると反射して逆向きに進む波が、入射する波と出会うので定常波が生まれますね。このとき生じる定常波は、例えば次のような形になります。
図の右側の閉端では、空気の分子は振動できません。なぜなら 音波は縦波 なので、 波の伝わる方向と振動する方向が一致 するからです。すると、閉端では空気の分子が左右に振動することができず、 固定端 となります。つまり、閉端では 定常波の節 が来るのですね。
開端は分子が自由に振動して、腹になる
一方、開端では空気の分子は自由に振動することができます。
開端は 自由端 と見ることができますね。つまり、 定常波の腹 が来るのです。
基本振動、3倍振動、5倍振動……
気柱に生じる定常波は、開端で腹、閉端で節になります。このような定常波は様々なものが考えられますが、もっとも単純なものは以下のものです。
レモン半分 が一番単純な定常波であり、これを気柱に生じる定常波の 基本振動 と言います。
このほかに、どのような定常波が考えられるでしょうか?基本振動の波に、レモンを1個ずつ付け足していけば、開端に腹、閉端に節の定常波ができますね。
上から2番目の振動状態は 3倍振動 と言います。基本振動はレモン半分であり、この3倍振動ではレモン半分が3つあります。そのため3倍振動と言うのです。同様に、上から3番目の振動状態は 5倍振動 と言います。レモン半分が5つあるので 5倍振動 です。このように、 7倍振動、9倍振動…と奇数倍に振動が増える ものが続いていきます。
気柱の波長λを式で表すと……
では、気柱に生じる定常波の波長λがどう表せるかを考えていきましょう。
定常波はレモン2個で1波長λとなるので、 レモン半分では(1/4)λ となりますね。 基本振動 では気柱の長さLがレモン半分に等しいので、
基本振動 L=(λ/4)・1
同様に、3倍振動、5倍振動は
3倍振動 L=(λ/4)・3
5倍振動 L=(λ/4)・5
つまり、 気柱の長さはλ/4の奇数倍になる ということが分かります。
一般的に、自然数nを用いて表すと、
L=λ/4・(2n−1)(n=1、2、3・・・)
となりますね。この式を、気柱に生じる定常波の波長λについて解くと、
ただ暗記するのではなく、レモンの数が何個かな?ということを考えて式を立てられるようにしましょう。
今回は 気柱に生じる定常波 について解説していきましょう。 気柱 とは、口が開いている瓶の中に入っている空気のことを言います。例えば、空き瓶の中に入っている空気は、気柱の1つです。瓶の口に息を吹き入れてみるとどうなるでしょうか?音が鳴りますね。これは瓶の中に定常波が生じたことにより起こる現象です。