5分でわかる!電磁波の発生
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この動画の要点まとめ
ポイント
電磁波とは?
電場の増加によって磁場が生じる
電磁波 は、例えば、次のような回路で発生させることができます。
交流電源にコンデンサーを接続しています。図の瞬間では、コンデンサーの上の極板に正電荷が運ばれ、矢印の向きに電流が流れています。ここで、 直線電流がつくる磁場 に注目すると、 右ねじの法則 から、次の図のように、 時計回りの磁場 が導線のまわりに発生しますよね。
コンデンサーに正電荷がどんどん蓄えられていくとき、極板間に生じる下向きの電場Eは増加していきます。このとき、 極板間に電流は流れていませんが、あたかも流れているかのように、磁場が生じます 。
電場の変化は、電流が流れているのと同じと考えられます。 変化する電場の周りには磁場が生じる のです。変化する電場の周りにできる磁場の向きは、直線電流と同じように 右ねじの法則 が使えます。
磁場の増加によって電場が生じる
電場の変化によって磁場が生じることがわかりましたね。今度は、 電場Eがつくりだした磁場Hの変化 に注目します。
電場Eがつくりだした磁場H は、Eの変化に応じて変化します。このとき、磁場Hが変化することにより、磁場Hのまわりには 誘導電場 が発生します。以前に、コイルを貫く磁束が変化するとき、それを妨げる方向に 誘導電流 が流れ、 誘導起電力 が生じることを学習しましたよね。実は コイルがなくても、磁場が変化するときはそのまわりに電場が生じる のです。変化する磁場のまわりに生じる電場の向きは、磁場の変化を妨げる向きになります。
電場→磁場→電場→磁場……の繰り返しで電磁波が発生
コンデンサーの極板間を電場が通過すると磁場が生まれ、磁場が増加するとその周りに電場が生まれ、電場が増加すると磁場が生まれ……と繰り返していくことがわかりますね。電場と磁場が生まれる現象がどんどん振動して空間を伝わっていきます。
この現象によって伝わる波が、まさに 電磁波 なのです。 電磁波の伝わる速度 は 真空中の光速と同じ3.0×108[m/s] となります。
電場と磁場の変化によってつくられる波のことを 電磁波 と言います。ラジオやテレビ放送で使われる 電波 やレントゲン写真などで使われる X線 も電磁波の一種です。今回は、この 電磁波 について詳しく解説していきましょう。