5分でわかる!ベクトルの分解
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この動画の要点まとめ
ポイント
「水平方向」と「鉛直方向」の分解は重要
例えば、図の矢印Aのように斜めに進む物体を考えてください。
この物体が、x方向にどれだけ進むか、y方向にどれだけ進むかは矢印を分解して考えなければなりませんよね。矢印Aのように、 運動の大きさと方向を同時に表す ものは ベクトル と呼ばれています。今回のベクトルの分解方法について学習していきましょう。
大きさと方向を兼ね備えたものがベクトル
ベクトルは数学での履修内容になり、まだ詳しく知らない方も多いと思います。先ほどの矢印Aを例にして、ベクトルがどんなものなのかを簡単に解説しましょう。
ベクトルというものは、 大きさ と 方向 を兼ね備えたものです。矢印は 長さ によって 大きさ を表しています。同時に、矢印は右斜め上を指していますね。この矢印の向きによって 方向 を示すこともしているのです。
具体的な例として、自宅から学校まで通う場合をイメージしてください。矢印の始まる場所(= 始点 )を自宅、矢印の最後(= 終点 )を学校とします。自宅から学校まで直進する矢印は、 長さ によって 自宅から学校までの距離を表す ことができ、 向き によって 自宅から学校までの方向 を表していますね。大きさと方向を同時に表すことができるのが、ベクトルという矢印なのです。
ベクトルは2つの方向に分解可能
ベクトルは分解することができます。先ほどのベクトルの図を使って考えてみましょう。
このベクトルの長さをA[m]とします。始点を通るx軸、y軸が与えられており、ベクトルとx軸とのなす角がθです。この斜めのベクトルをx方向とy方向に 分解すること を考えましょう。「分解する」とは、「x方向にだけ注目」「y方向にだけ注目」の2つの場合に分けて考えるということですね。
まず、ベクトルの終点(矢印の先端)からx軸、y軸に垂線をおろし、この ベクトルAを対角線とする長方形 を作りましょう。次に、ベクトルの始点と、これらの垂線と軸との交点を結びます。すると、図のように、斜めのベクトルが、x方向のベクトルとy方向のベクトルにうまく分解されるのです。
分解後のx方向、y方向の長さは?
x方向に分解した長さをx、y方向に分解した長さをyとすると、それぞれどのような式で表すことができるでしょうか?
図のような斜辺がA、底辺がx、高さがy、角がθの 直角三角形 では、 三角比 が使えます。三角比より、sinθは 高さ/斜辺=y/A 、cosθは 底辺/斜辺=x/A で表すことができますね。それぞれ両辺にAをかけることで、xとyを、斜辺の長さAと角度θを使って表すことができます。
斜めのAのベクトルをx方向とy方向に分解して式で表すことができました。速度や力を表すベクトルが、今後の物理ではよく出てきますので素早く分解できるように練習をしておきましょう。
前回学習した水平投射では、物体の運動を水平方向と鉛直方向で分けて考えましたよね。物理では、このように「水平方向」と「鉛直方向」に分解して考えることがとても重要になってきます。