物体にはたらく力は、 重力 と 接触力 の2種類のみでしたね。今回は 接触力 、つまり 物体が接触しているものから受ける力 について考えましょう。

接触力には、様々な種類がありますが、代表的なものは 垂直抗力 です。下の図を見てください。

物体が床の上に乗っています。物体は床に接しているので、 床が物体を押し上げる力 が存在します。床が物体を垂直に押し上げる力を 垂直抗力 といいます。垂直とは地面に対して直角という意味でしたね。垂直抗力は N という記号を使い、単位は N 、 ニュートン と読みます。どちらもNという記号を使っていますが、区別するようにしてください。

もう一つ接触力の例をみてみましょう。

クマちゃんが糸を持っていて、糸の先端には物体がついています。この物体に注目しましょう。この物体には当然 重力 がはたらきますが、それ以外にも糸に接しているので 糸が物体を引っ張り上げる力が存在 します。この糸が物体を引っ張り上げる力のことを 張力 といいます。この張力は記号 T を使って表されます。

また、クマちゃんも糸に接しているので、糸の張力を受けます。 一本の糸から受ける張力T[N]の大きさは、どこでも同じになる というルールが存在します。また、 「軽い一本の糸」 という言葉は、物理では 質量が無視できる糸 ということを意味します。この2つは大切なルールなので、よく覚えておきましょう。

これらのルールより、 糸が物体を引っ張る力と、糸がクマちゃんを引っ張る力の大きさは同じ ということになりますね。糸の張力の性質をよく覚えておきましょう。