5分でわかる!重心の位置の計算
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この動画の要点まとめ
ポイント
3力でも「力のつりあい」と「モーメントのつりあい」
図を見てください。剛体に3つの力がはたらいています。
3力がはたらくときでも、 物体が静止する条件 は変わりません。 「力のつりあい」 と 「モーメントのつりあい」 が成立していれば、物体は静止するのです。
「力のつりあい」 については、 「3力のベクトルの和が0ベクトルとなる」 、すなわち 「3力のベクトルの始点と終点をつなぎあわせて三角形ができる」 状態であれば、成立しますね。
では、 「モーメントのつりあい」 、この物体が回転するのか?しないのか?ということを見極めるには、どのように考えたら良いのでしょうか。
2力の作用線の交点を「回転軸」にする
「モーメントのつりあい」 は、モーメントの基準点を設定して考えます。
まず、この剛体にはたらく力F1、F2、F3のそれぞれの 作用線 を引きます。力F1とF2の作用線の交点をOとして モーメントの基準点 にします。
モーメントの基準点が 回転軸 になると考えてください。Oから見るとF1とF2は斜めに引っ張っているだけで回転させる能力はありませんね。したがって、F1とF2のモーメントは0となります。
それではF3はどうでしょうか。F3の作用線はOの上にないため、F3にはこの物体を回転させようとするモーメントがはたらいています。つまり、図の物体は回転するのです。物体がつりあっている状態とは言えませんね。
物体が回転しないのは「3力の作用線が1点で交わるとき」
では、F3がどのような位置にあれば モーメントがつりあうのか を考えてみましょう。次の図を見てみてください。
もしもF1とF2だけでなく、F3の作用線が回転軸Oと交わるとすれば、Oから見てF1もF2もF3もすべて 回転させない力 になりますね。このように、 3つの力の作用線が1点で交わっている状態 のとき、 全てのモーメントは0 となり、 物体は回転しない 状態になります。
3つの力がはたらいている物体がつり合っているとき、 はたらいている3つの力の作用線は1点で交わる ことを利用して、実際に問題を解いてみましょう。
これまでは剛体にはたらく力が2つのときの静止する条件について学びました。では、剛体にはたらく力が3つ以上ある場合、静止する条件はどうなるのでしょうか?