5分でわかる!一体となって運動する物体
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この動画の要点まとめ
ポイント
慣性力 の知識を使うことで、簡単に解けるようになるのが次の問題です。
2つの物体が一体となって動く問題ですね。このような運動を考えるときのポイントは
①一体となって運動
②慣性力
③力のつりあい
です。②③のポイントについては既習ですよね。①について少し補足したいと思います。
複数の物体が一体となって動く=1つの物体とみなせる
「①一体となって運動」する物体について、どのような見方をすればよいのでしょうか?下の図の物体の運動を例にして、考えてみましょう。
質量mの5つの物体があり、それぞれが糸で結ばれています。このとき左端の物体を力F[N]で引っ張ったとします。この物体はいくらの加速度を持つことになるのでしょうか。
今までの方法では、ひとつひとつの物体に関して運動方程式を立てて加速度を出すという方法があります。しかし、このやり方を用いると運動方程式を5つ立てて解かなくてはいけなくなるため、少し大変ですね。こういう場合に簡単に解くにはどうすればよいでしょうか。
1つの物体とみなして運動方程式を立てよう
ポイントは「この5つの物体は 一体になって運動している 」というところです。一体となって移動しているので、この5つの物体を思い切って 1つの物体である として見てみましょう。
1つの物体として考えると、5mの物体を力Fで引っ張るということが言えますね。1つの物体とみることではたらく力はFのみとなり、物体の内部で引っ張る力は考える必要がありません。このように考えてしまえば運動方程式を立てるのはものすごく簡単になりますね。
それでは運動方程式を立ててみましょう。物体の質量は5m[kg]であり、引っ張る力はF[N]、また加速度はa[m/s2]であることから
5ma=+F
という式が立てられ、加速度aが以下のように求められます。
複数の物体が一体となって運動するとき、1つの物体とみなすことは、物理の問題を解くうえで便利なテクニックです。
複数の物体が一体となって動くとき1つの物体とみなせることを利用して、次の問題を慣性力に注意して解いてみましょう。
引き続き 慣性力 について学習していきましょう。 観測者が加速度運動をしているとき、静止している物体が運動している ようにみえます。静止している物体にはたらくとする仮の力(見かけの力)が 慣性力 で、観測者とは逆向きにはたらくんでしたね。