5分で解ける!仕事と運動エネルギーの関係に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
図に描いて1つ1つの力を整理しよう
問題文だけではイメージがしにくいので、図を描いてみましょう。地面となす角度が30°の斜面を描き、斜面の下端に質量m[kg]の物体を乗せ、これを力Fで斜面に平行に引っ張る力を描きます。始めに物体は静止していたとあるので、初速度は0[m/s]です。物体はs[m]移動させたとあるので、矢印sを描きましょう。
今回求めたいのは、力Fのした仕事WF、重力のした仕事Wg、垂直抗力のした仕事WN です。図には、物体にはたらく重力mg[N]、斜面から物体を押し上げる垂直抗力N[N]も書き入れています。問題文には、 なめらかな斜面 とあるので今回は 摩擦力を考える必要はない ですね。
力と移動方向が一致するならW=F×s
図をもとにして、それぞれの力がした仕事について求めていきましょう。
力Fのした仕事WF
力Fの方向と物体の移動する方向は一致していますね。 力の方向と移動方向が一致している 場合、 仕事W=力F×移動距離s で計算できました。よって、
WF=Fs
ですね。
力と移動方向が一致しないときはW=Fscosθ
重力のした仕事Wg
図からも分かるように、重力は移動方向に対して斜めにはたらいています。重力を表す矢印と、移動方向を表す矢印の始点をそろえると、次のように120°の角をなすことがわかりますね。
力と移動方向が一致しない とき、 仕事W=力F×移動距離s×cosθ で求められました。よって、
Wg=mgscos120°
⇔ Wg=(−1/2)mgs
ですね。
力と移動方向が直角ならW=0
さて最後に垂直抗力Nがした仕事WNです。垂直抗力は斜面に対して直角なので、当然移動方向に対しても直角です。 力と移動方向が直角のとき力のする仕事は0になる ということを覚えていますか? よって垂直抗力Nのする仕事は0になります。
物体にした仕事=運動エネルギーの増加分
物体がs[m]移動したときの速さv[m/s]を求めましょう。速さvを求めるためには、まず何を考えたらいいでしょうか。
仕事と運動エネルギーの関係 です!
仕事の合計WF+Wg+WN が、 運動エネルギーの増加分(1/2)mv2−(1/2)mv02 になるのでしたね。
WF、Wg、WNについては(1)で求めた値をそれぞれ代入しましょう。問題文には 「静止していた」 とあるので、v0は0[m/s]です。あとは速度vについて解けばOKですね。
斜面上の物体に力を加えたときの仕事や速さを求める問題です。1つ1つ順序立てて情報を整理しながら解きましょう。