高校物理
5分でわかる!弾性力による位置エネルギー
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この動画の要点まとめ
ポイント
弾性力による位置エネルギー
これでわかる!
ポイントの解説授業
片方を固定されたばねが物体を引っ張る手によって、元の長さ(= 自然長 )に比べて長くなっています。このとき、ばねから物体には 弾性力 がはたらき、物体には弾性力による位置エネルギーが蓄えられます。
弾性力は前回の授業で学習した 保存力 のひとつで、弾性力による位置エネルギーは 弾性エネルギー と呼ばれます。今日はこの弾性エネルギーがどう表されるかについて考えていきましょう。
弾性力は自然長に戻る方向にはたらく
弾性エネルギーを求める前に、まずは弾性力について復習しておきましょう。先ほどの図をもう一度見てください。
ばねが壁に取り付けられ、自然長に比べてx[m]伸びている状態です。このとき、もしもばねから手を離すと、力がはたらいて元の位置に物体は戻ろうとしますね。今回の場合、ばねは左向き、自然長に戻ろうとする方向へ弾性力F[N]がはたらきます。大きさはばね定数kを用いて F=kx[N] と表すことができましたね。
力×距離で単純計算できない!
それでは自然長の位置を基準点O、ばねが伸びた位置をAとして、弾性エネルギーUkを求めてみましょう。
エネルギーは仕事する能力のことでしたね。仕事は「力×移動距離」で求められ、今回は、力の大きさがkx[N]、移動する距離がx[m]です。したがって、弾性エネルギーUkは
Uk=kx×x=kx2
というように表せると思ってしまうかもしれません。しかし、これは 間違い です。
何が間違っているのかというと、重力と違い 弾性力Fは一定ではありません 。弾性力Fはkxで表わされるため、基準点Oに近づくにつれ距離xは小さくなり弾性力Fも小さくなっていきますね。 力が一定ではないとき、仕事は力×距離で単純計算できない のです。
では、弾性力をどのように計算すれば良いのか、次のポイントで解説していきましょう。
今回は、 ばね による 弾性エネルギー について学んでいきます。まず次の図を見てください。