今回は、 運動量保存 と エネルギー保存 の組み合わせを考えていきましょう。

下の図を見てください。2つの物体の間にばねがあり、押し縮められているものだとします。各物体の質量は右からmとMとし、両方静止しているものとします。滑らかな面にあり、摩擦ははたらきません。

このとき各物体には、重力と垂直抗力がはたらくほか、ばねの弾性力がはたらきます。この物体が、下の図のようにばねの力を受けて互いに逆方向に進んでいくとき、運動量とエネルギーについて考えてみましょう。

物体が移動する水平方向にはたらく力は、ばねの力のみですね。外力がないということは 運動量は保存 されます。mの速度をv、Mの速度をVとしたとき mv+MV=一定 ということが言えます。この一定の値は、 物体が静止していたので0 となりますね。

さらに、力学的エネルギーについても考えてみましょう。

重力と弾性力は 保存力 で、垂直抗力だけ 非保存力 です。しかし垂直抗力は運動方向に対して垂直なので、仕事をしません。W_N=0なのです。

保存力だけが仕事をするとき、 力学的エネルギーK+U_Kは保存 されるということが言えます。

外力がはたらかない とき、 系の運動量が保存 される。また、 非保存力の仕事が0 のとき、 力学的エネルギーは保存 される。この2つをしっかりと押さえてください。