5分で解ける!第二宇宙速度に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
宇宙の果てに到達したとき速度は0
まずは図を描いて、情報を整理しましょう。地球の半径はR、地上における重力加速度はgです。地球の質量と小物体の質量は問題に与えられていませんが、それぞれM、mとおきます。小物体に宇宙に向かって初速度v0を与えたところ、地球に戻ってきませんでした。つまり、打ち上げられた小物体は宇宙の果てに到達し、地球との距離が∞(無限大)になります。
このときの初速度v0の最小値を求めましょう。まず、小物体は打ち上げられた後も、地球に引っ張られる万有引力によってどんどん減速していきます。 宇宙の果てに到達したとき、まだ速度を持っていれば万有引力から脱出した と言えます。今回求めるのは最小値なので、ギリギリを考えれば良いです。つまり、打ち上げられた小物体がどんどん減速していき、 宇宙の果てに到達したとき速度がなくなって0[m/s]になる ケースを考えればよいのです。このときが初速度の最小値となります。
宇宙の果ては小物体の力学的エネルギーが0
小物体にはたらく力は万有引力という保存力なので、打ち上げられた小物体は運動エネルギーKと位置エネルギーUの合計である 力学的エネルギーが保存 されます。
小物体が 打ち上げられた瞬間の力学的エネルギー は、
(1/2)mv02+(−GMm/R)
です。
次に、小物体が宇宙の果てに来たときの力学的エネルギーを考えます。速度は0になっているので、運動エネルギーは0です。位置エネルギーは、宇宙の果てを位置エネルギーの基準にしているため、位置エネルギーも0となります。つまり宇宙の果てでの 力学的エネルギーは0 となります。
これらの内容から、力学的エネルギー保存の式を立てると次のようになります。
この式を変形し、v0について解くと、答えが出てきますね。
今回の問題では、地球の質量Mと万有引力定数Gが与えられていません。したがって、地球上の重力mgと万有引力GMm/R2が等しいという関係を用いて、G、Mをg、Rの式に変形している点に注意しましょう。
第二宇宙速度を求めよう
(1)で求めたv0の式に代入して、第二宇宙速度の具体的な値を求めましょう。
秒速11kmで投げ出せば、宇宙の果てまで小物体を投げることができることがわかりました。肩に自信がある人は、ぜひやってみてください(笑い)。
小物体を初速度v0で打ち上げたとき、無限遠に飛び去るためのv0の最小値を求める問題です。つまり、 第二宇宙速度 を求めます。