5分で解ける!単振り子に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
重力加速度の平方根√g≒円周率πを利用
単振り子の周期Tを求めましょう。まずは図を描いてみます。天井から振り子が吊り下げられ、微小振動なので振れ角θはとても小さいです。
単振り子の周期Tの公式に、長さ1mを代入し、√gと円周率πが等しいことを利用して以下のように解きましょう。
1mの糸に取り付けられた単振り子の1往復する時間は2秒だということが分かりました。気になる人は実際に天井から1メートルの糸を垂らした単振り子を作って時計で測ってみましょう。1往復にかかる時間はほとんど2秒だということが確認できると思います。
エレベーター内のおもりには慣性力がはたらく
(2)では、加速度aで上昇するエレベーター内での単振り子の周期を考えます。まずはエレベーター内の様子を作図しましょう。
エレベーターの中に天井から吊るした長さℓの単振り子があり、取り付けている物体の質量はmです。エレベーターの加速度は上向きのa、エレベーターの中に観測者がいるとして、この観測者から見た力のつりあいを考えます。
物体には下向きの重力mgと上向きの張力Sがはたらいています。ここで、エレベーター内の観測者は上に向かって加速度運動をしていることに注意してください。観測者が物体と一緒になって加速度運動をしているとき、 慣性力 を考えますね。慣性力の方向は観測者の加速度と逆向きでした。また慣性力の大きさはmaです。
見かけの重力はm(g+a)
エレベーター内の物体には、下向きに重力mgと慣性力maがかかります。今まで物体には下向きに重力mgしかはたらきませんでしたが、今回のエレベーター内では下向きにm(g+a)の力がはたらくことになりますね。つまり、 エレベーター内ではm(g+a)があたかも重力の役目を果たしている ということになります。
このような力を 見かけの重力 といいます。したがって、エレベーター内で微小振動させた場合の周期T'は、
となります。単振り子の周期Tと比べて、エレベーター内での周期T’は重力加速度gが見かけの重力から(g+a)へと変化するのです。(1)と比べるとルート内の分母が大きくなり、全体としては周期は短くなることが分かりますね。問題で問われているのは(1)で計算した周期の何倍かなので、以下のように答えましょう。
問題に登場するのは 微小振動させた 振り子です。 微小振動 なので 単振動 と考えることができますね。重力加速度の平方根√gと円周率πがほぼ等しいという条件もしっかりと把握しておきましょう。