5分で解ける!潜熱に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
電力600[W]は1[s]あたり600[J]のエネルギー
(1)は氷の融解熱を求める問題です。融解熱とは 1gの氷0℃を水0℃に状態変化させるために必要な熱量 でしたね。融解熱は q[J/g] とおきましょう。
まずグラフを見ると、0[s]のとき温度が−15[℃]です。これに電力600[W]で熱を加えていきます。ここで、600[W]とは何を意味するかわかりますか?単位 [W] は仕事率で出てきました。仕事率は1[s]あたりの仕事、もしくはエネルギーのことです。したがって、 600[W]は600[J/s] と表すことができますね。つまり、 1[s]あたり600[J]のエネルギーを与えている と考えられます。
もう一度グラフを見ると、12[s]から124[s]の間で温度が0[℃]に保たれています。
この温度が0[℃]に保たれた12[s]から124[s]がまさに 氷を溶かすためだけに熱が使われている過程 です。12[s]から124[s]までの112[s]間に600[J/s]のエネルギーが与えられたので、融解熱qは以下のように求められますね。
1gの氷 をすべて溶かす熱量が融解熱[J/g]なので、12[s]から124[s]までの112[s]間に与えた熱量を、氷の200gで割ることに注意してください。
0[℃]から50[℃]への温度変化に注目
(2)は容器の熱容量を求める問題です、 熱容量Cとは質量m×比熱cを一つにまとめたもの でしたね。
熱容量Cを求めるには、 水が0[℃]から50[℃]に上昇するときの吸収熱Qinに注目 しましょう。600[J/s]の熱を124[s]から199[s]までの75[s]間加えているので、 吸収熱Qinは600×75 で求められます。
一方、吸収熱Qin=mcΔTで表せます。0[℃]から50[℃]に上昇しているのでΔT=50[℃]です。また、熱容量mc[J/K]は、水と容器の合計で考えます。水の熱容量は、質量200[g]×比熱4.2[J/gK]なので、容器の熱容量をC[J/K]とおくと、合計の熱容量は(200×4.2+C)[J/K]となります。
これらの値を、吸収熱Qin=mcΔTの式に代入すると、容器の熱容量C[J/K]の値が出てきますね。
−15[℃]から0[℃]への温度変化に注目
(3)は氷の比熱を求める問題です。今回は氷が水に変化する、 −15[℃]から0[℃]への温度変化に注目 しましょう。
0[s]から12[s]の吸収熱Qinから求めていきます。グラフより、氷に与えられる吸収熱は600[W]の熱を12[s]間加えたもので、600×12ですね。
一方、吸収熱Qin=mcΔTで表せます。氷の比熱をc[J/gK]とおくと、熱容量mcは水と容器の合計を考え、(200×c+60)[J/K]となります。ΔTはグラフより15[K]です。
これらの値を、吸収熱Qin=mcΔTの式に代入すると、氷の比熱c[J/gK]の値が出てきますね。
氷を水へと融解させる問題です。グラフを見ながら、物質がどのように変化していくかに注目しましょう。